肌のバリア機能とは

肌の一番上にある角質層は、肌のみならず全身の健康を保つうえで、とても大切なバリア機能という役割を担っています。

●角質層の役目

肌の一番上にある表皮の中で一番外側にあるところを角質層といいます。角質層は、わずか0.02mmほどで、約20層の角質細胞が積み重なってできています。角質細胞は、おもに固いケラチンというたんぱく質でできていて、細胞のすき間は、角質細胞間脂質というものが埋めています。角質細胞間脂質は、主にセラミドからできています。セラミドはラメラ構造という水の層と脂の層が層状に並ぶ構造でできていて、どんなに乾燥した環境でも、ある量の水分を保てるようになっています。このように角質層は、角質細胞と角質細胞間脂質がすき間なくびっしり積み上がることにより、すき間がない構造となっています。

関連記事:肌の構造と働き

●バリア機能

人間のからだは皮膚でおおわれ、皮膚の一番上にある角質層は、外界からからだの中へ異物が入り込まないよう、また外界の環境変化の影響をできるだけ少なくするよう、そしてからだの中の水分を外に逃がさないように守っています。例えば、お風呂にはいってもお湯がどんどん体内に入り込まないのは、このバリア機能によってお湯が遮断されているからです。また、角質層が傷つかない限りは、病原菌などからもからだは守られます。角質層がひっかき傷や怪我などで傷つくと、そこから病原菌がはいりこみ疾病の原因となりえます。バリア機能がよい状態に保たれるためには、角質層のうるおいが保たれていることが大切です。とくにエアコンや暖房などが使われている室内や、乾燥した空気の中にさらされていると角質層が乾燥しがちです。また高齢になると、肌の水分が不足しやすくなります。バリア機能をよい状態に保つために、肌にうるおいを与えるスキンケアを適切に行い、水分補給をまめに行うことが大切です。

pc_basicsc08-001

SHARE