からだと五味・五性の関係

五行説の相性、相剋の循環が五味にもあります。これらの理論を私たちの日々の食生活の中にも活かしていきましょう。

●五味五臓の相性・相剋

酸味は肝に有効ですが、脾を害し胃を弱くします。苦みは心に有効ですが、肺を害し、甘味は脾に有効ですが、腎を害し、辛味は肺に有効ですが、肝を害し、鹹味は腎に有効ですが、心を害す、といった作用です。この相性、相克の循環は、一つの味にかたよるのではなく、日常の食生活で五味をバランスよくとることで、五臓の健康に大切であるということを示しています。

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例えば、甘味のぜんざいには鹹味(かんみ・塩味)の塩昆布が添えられます。これは甘味が腎を害すことを防ぐために鹹味が加えられているといえます。これは「二味配合の原理」と呼ばれて、からだによりよい作用をするとともに、それぞれの味を引き立て食べるための長年の知恵といえます。また、五臓は、季節の影響を強くうけるとされていて、春は太陽の力により活力が満ちることから「肝」が、夏は高温多湿になることから「心」と「脾」が、秋は空気が乾燥することから「肺」が、冬は厳しい寒さから「腎」が最も注目される臓器とされています。そしてそれぞれの季節に注目される臓器の働きをサポートし、補う五味があるのです。

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●食療と薬膳

五味に加え、五性も考慮し、不調の改善を目的とした食事を「食療」とよびます。生まれもった体質によって、冷え性、暑がり、太りやすい、むくみやすいなどの6つのタイプに分類し、それぞれの体質に合わせて「食療」で対策をとることがあります。その人に合った食材をとり、合わないものは避けるなどし、体質を改善し、自然治癒力を高めることを目指します。また季節に合わせて食材を選ぶこともあります。「食療」にさらに生薬を加えて作った、病を治すための食事を「薬膳」とよびます。日常の食事にも、これらの考え方を活かし、そのときの健康状態や各自の体質、季節に合わせて、食材を上手に取り入れ健康の維持、増進に役立てると良いでしょう。