食習慣のからだへの影響

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近年の日本では人類の長い歴史の中ではありえなかった食べ物をいつでも十分に食べることができる時代になっています。さらに過去50年で日本人の食生活は大きく変わりエネルギー過多になりやすい糖質や脂質の摂取量が増えてきている一方、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む野菜や果実、海草、きのこ類の摂取量が減っています。また家庭で調理した料理を食べる機会が減り、手軽に入手できる調理済食品や外食の機会が増えてきました。調理済食品や外食では栄養が偏り塩分や糖分を多く含む傾向にあり、また長い流通を経るため保存料などの食品添加物が使われていることが多くなりがちです。食べるタイミングは朝、昼、晩の3食のみを食べるのが一般的だったのが、現代では3食以外でも常に飲料や菓子を口にしていることが珍しくなくなってきています。嗜好品であるアルコール飲料や砂糖を多く使った菓子は以前では特別な日に食べるものでしたが、現代では日常の食の一部となっていて、アルコール飲料を毎日摂取する人も珍しくありません。砂糖は近年になるまで人々の食生活には縁遠いもので、摂取する機会は少なく希少な存在でした。それが、今では非常に身近な存在になっています。

このような食生活の内容や食習慣の変化は私たちのからだに様々な影響をもたらします。口腔からはじまり胃、十二指腸、小腸、大腸といった臓器への影響のみならず、すい臓、たんのう、肝臓、腎臓など消化に関わる消化器系全体にも影響を及ぼしています。食べるということはこれら全ての臓器を働かせることです。まず口から入った食べ物は唾液の消化酵素で分解されることから始まり、さらにたんぱく質は胃で脂肪は十二指腸や胆のうの働きによって消化されます。これら消化酵素を含む消化液の一日あたりの分泌量は数リットルにも及びます。そして消化酵素の供給は膵臓がほとんどを担います。消化に関連し血糖値を調整するインスリンの分泌も膵臓の大切な仕事になります。消化された食物は小腸から栄養素が吸収され、大腸には体外に出すべきものを便として排泄する役割があります。小腸や大腸は栄養素や水分を吸収する大事な器官で如何に腸内環境を健全に保つかも大切です。そのためには上部消化器を十分に働かせ、栄養を吸収する下部消化器へと、食べ物をしっかりと消化した状態で送りこむ必要があります。

食べ物を体内に取り入れ私たちの肉体をつくり、からだを動かすためのエネルギーをつくるという消化過程はとても重要ですが、からだに一定の負荷がかかるものです。からだにとって重要かつ負荷がかかる消化過程の負担をコントロールするためには、生活習慣全般を整えからだに負担の少ない食品や量、そして消化器系全体を休める時間などが必要になってきます。現代人は食事による負荷を知らず知らずのうちにからだにかけています。消化過程が自身のからだに与える負荷を認識したうえで日々の食に向き合いたいものです

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