プラスチックの海洋汚染の現状

プラスチックゴミの8割強はリサイクルされておらず、自然環境に害を及ぼしています。なかでも海には毎年900万トン以上のプラスチックがゴミとして流れ込んでいます。そのプラスチックの一部は、紫外線、海流、波の作用でマイクロプラスチックと呼ばれる細かい破片となり、鳥や魚がエサと間違えて食べてしまい命を落とすことも多くあります。また、そこから派生する人間を含めた生態系への悪影響が問題とされています。

●マイクロプラスチックとは

マイクロプラスチックとは大きさが5mm以下のプラスチックごみです。マイクロプラスチックには大きく分けて2種類あります。洗顔料や歯磨き粉等のスクラブ剤に含まれ、もともとマイクロサイズで製造されたものが1次的マイクロプラスチックと呼ばれます。このマイクロプラスチックはマイクロビーズとも呼ばれ、洗顔や歯磨きに利用されたあと、下水を通じて自然環境へ流出されます。マイクロビーズはすでにヨーロッパ、北米を中心に各国で規制が実施されています。もうひとつは2次的マイクロプラスチックとよばれ、あらゆる利用目的のために製造された、大きなプラスチックが自然環境下で壊れ、細分化されてマイクロサイズとなったものです。
マイクロプラスチックは海に残留するPCBなどの有害物質を高濃度で吸着しやすく、このマイクロプラスチックを取り込んだ生物の体内に有害物質が蓄積された結果、人間を含む生態系に悪影響を及ぼす問題が懸念されています。
1964年~2014年の50年でプラスチックの生産量は20倍に急増しました。2014年からの20年間ではさらに倍増すると予見される一方で、プラスチックのリサイクル率はわずか14%といわれ、紙の58%、鉄鋼の70~90%に比べると、はるかに低いリサイクル率であるのが現状です。

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●マイクロプラスチックの人体への影響

マイクロプラスチックの害は大きく2つに分類されます。ひとつは、海や海周辺を汚染することにより、マイクロプラスチック自体が物理的な異物として影響を及ぼす害、もうひとつはプラスチックを製造する時に用いられた添加剤や、プラスチックに吸着した化学物質による影響です。
人体への影響の例としては、近年世界の食塩の9割からマイクロプラスチックが検出されたこと、東京湾で釣ったカタクチイワシからマイクロプラスチックが検出されたことなどが挙げられます。身近な食品の中にマイクロプラスチックが紛れ込むことにより、人体の中にマイクロプラスチックが入る可能性が高くなってきています。しかしながら人体の中にマイクロプラスチックが入ることにより起きる害については、まだ調査研究段階にあります。
化学物質による人体への影響も未知数ではありますが、マイクロプラスチックにより人体のホルモンなどに影響を及ぼす内分泌攪乱物質が、人体内に運び込まれるのではないかといった点が問題視されています。マイクロプラスチックが人体に及ぼす影響については、いまだ研究段階であり、今後の研究結果が待たれます。