紫外線防止剤

紫外線防止剤とは

紫外線防止剤は、その名の通り紫外線を防いでくれる成分で、日焼け止めなどのサンスクリーンはもちろん、ファンデーションなどの化粧品にも広く使用されています。よく見かけるSPFやPAという表示は紫外線防止効果を示す指標です。SPFとは「Sun Protection Factor」の略で紫外線B波(UVB)を防ぐ指標です。PAは「Protection Grade of UVA」の略で、紫外線A波(UVA)を防ぐ効果の程度を表す指標です。
これらの紫外線を防ぐ成分は「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の二種類に分類できます。紫外線吸収剤は、吸収剤そのものが紫外線を吸収し、肌への紫外線の影響を防ぎます。紫外線散乱剤は、主にパウダーで、肌表面に受ける紫外線を乱反射させて、肌への紫外線の影響を防ぐ作用があります。

環境ホルモンへの影響

紫外線吸収剤を使用している製品には、気をつけるべき点が2つあります。一つ目はある成分が環境ホルモンと同様の働きをすること、もう一つは美しいサンゴ礁を白化させてしまうことです。
中でもオキシベンゾンやオキチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)を含むサンスクリーンや同様の製品は日本でも多く流通しているので注意が必要です。

アメリカFDAの安全性における3つのレベル評価

紫外線防止剤の安全性に関しては、2019年2月にアメリカFDA(Food and Drug Administration)が、過去の研究等の再評価により紫外線吸収剤の安全性について「カテゴリー1、2、3」の3つのレベルで評価することを発表しました。
※アメリカにおいては紫外線吸収剤を含む製品は一般薬に該当するもので、その効果と安全性には十分な配慮(事実に基づいた安全性評価と効果の検証)が必要となる背景があります。
「カテゴリー1」は、一般的に安全で効果がある成分となります。紫外線散乱剤はこのカテゴリーに含まれ、酸化亜鉛、酸化チタンなどの成分がこれにあたります。これら2つの成分は、その粒子の大きさに関係なく角質層を通過して吸収されることはなく、また、何らかの形で分解されて亜鉛と酸素になったとしても、どちらも生体に存在する成分であり害をもたらすことはありません。
「カテゴリー2」は、一般的に安全で効果があるとされていない、安全性に懸念がある成分です。例えばPABA(パラアミノ安息香酸)、トロラミンサルチル酸などの成分がこれにあたります。PABAはアレルギーが多く報告されている他、多くの化学成分(医薬品、ヘアダイその他)と反応して人体に影響を与える可能性があります。トロラミンサリチル酸はサリチル酸と同様に溶血作用や鎮痛作用があり、皮膚から吸収され、傷などを負ったときに傷口からの出血を促進してしまう作用があります。
「カテゴリー3」は紫外線吸収剤として使用するには十分な安全性資料がなく、使用にあたり追加資料が要求される成分です。複数の成分が該当しますが、特にオキシベンゾン、オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)の2つは注意が必要です。
カテゴリー3に分類される成分の多くは、化粧品への配合により皮膚から吸収され環境ホルモン同様の働きをします。アメリカ疾病管理予防センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)の報告によると、オキシベンゾンを含む化粧品の使用による皮膚からの吸収に関して、96%のアメリカ人からオキシベンゾン類が定常的に検出され、母乳、羊水、尿、血漿から検出されているという報告があります。

世界中のビーチへの影響

近年、オキシベンゾンとオクチノキサートが配合されているサンスクリーンを禁止する動きが活発化しています。主な理由として、これらの成分はサンゴの白化を促進するという研究結果が出ているからです。
アメリカのハワイ州が2018年7月に可決した法律によると、2021年からオキシベンゾンとオクチノキサートを使用したサンスクリーンの販売・流通を禁止する法律が施行されます。フロリダ州、キーウエストでも同様の動きがあり、また、太平洋の西に位置するパラオ共和国でも、2020年までに同様の成分を含むサンスクリーンの販売・使用を禁止するとしています。