環境にやさしい食生活とは

一人一人ができることから、変えていくことが大きな変化へ。

●畜産物と水産物

食肉の生産には遊牧地や飼料作物栽培地確保のための森林伐採や水資源の確保が必要で、環境への多大な影響が憂慮されます。魚や貝などの水産物は食肉に比べると環境への負荷が少なくなります。食生活において畜産物と水産物のバランスを意識することは、より健康的な食生活にもつながります。水産物を選ぶ時には、近海で捕れたものや加工されたものを選ぶことで、輸送中の二酸化炭素量削減にもつながります。

●旬を意識する

大根や白菜、ほうれん草は冬、きゅうりやトマトは夏が旬とされている野菜ですが、旬でない時期にもこれらの野菜は手に入ります。しかし、温室栽培に伴う光熱動力や肥料等の投入による環境への負荷は小さくありません。例えば、ナスは夏秋の露地栽培に比べ、冬春の温室栽培では3倍程度の温室効果ガス排出量になるようです※。野菜や果物は旬に収穫されたものが栄養価も高く味も美味しいとされます。野菜や果物の旬を知り季節を感じる食生活を心がけることが、地球への負担を減らすことにつながります。

●地産地消

食品の輸送中は、車や船、飛行機が二酸化炭素を排出するので、地球環境を考えるならばできるだけ輸送距離が短い食品、つまり住んでいる地域で生産された食品を選ぶことが望ましくなります。輸送距離が短い地産のものは、新鮮でより高い栄養価を期待できます。地域の直売所などを活用して自分が住む地域で生産された野菜や果物を味わう食生活にしていくという選択もあります。

●食品ロスを減らす

日本の食品廃棄物量は中国、アメリカに次いで多く、2017年の日本の食品ロスは年間約612万トン、その半分近くが家庭からの「食品ロス」です。廃棄物となった食品が運搬・焼却される際にも二酸化炭素を排出し、また、焼却後の灰の埋め立ても環境負荷につながります。「食べられる分だけを買う」「調理する」「保存期間や期限に気をつける」など、食品ロスを少しでも減らすことを一人一人が目指していきたいものです。

※:JEEF公益社団法人日本環境教育フォーラムHP「人にも環境にもやさしい持続可能な食システムを目指して(2020/02/07)」

参考:農林水産省HP、環境省HP「サステナブルで健康な食生活の提案(2021年 8月30日)」、全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA:Japan Center for Climate Change Actions)HP

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