森林を守るために

日本国内の木材供給量の約70%にあたる約5,105万m³(丸太換算2014年)の木材が海外から輸入されています。これら輸入された木材は私たちの生活で、住宅、紙、家具、製品の包装など、様々な形で利用されています。私たちは木材の消費者として世界の森林に対し責任を負っているといえるかもしれません。

●違法伐採

森林減少の最も大きな原因は森林を伐採して農地等に転用することです。その他には違法伐採、自然の回復力に配慮しない焼畑農業、燃料用木材の過剰な摂取、森林火災などがあげられます。この中で私たちの生活と直接関係があるのは違法伐採かもしれません。違法伐採とはそれぞれの国の法令に反して行われる伐採を指すもので、許可された区域等を超えた伐採、禁じられている国立公園や保護区での伐採などです。違法伐採による木材や木材製品は、新たに植林する費用、森林を育て管理する費用、そこで働く人への対価、安全に木材を運搬するための諸経費などが価格に付加されないため、安価な流通となります。違法伐採された木材・木材製品は世界の木材流通価格を7〜16%おし下げているとの報告もあり問題となっています。

●森林認証

違法伐採や持続可能性への配慮を知る方法の一つとして「森林認証(FSC®、PEFC、SGEC 等)」があります。森林認証は、森林が適切に管理されていることを第三者機関が認証し、その森林から産出された木材や、その他それぞれの認証制度が適切であると認めている原材料のみを使用して作られた製品に認証マークをつける制度です。この認証マークにより消費者は製品を購入するときに、適切な木材が使用されているかどうかを知ることができます。森林の将来を考えた製品の選択が今私たちに求められています。

参考:環境省自然環境局自然環境計画課「森林と生きる」、WWFジャパンウェブサイト「今日、森林破壊を止めるためにできること」、外務省ウェブサイト「国連における森林問題への取り組み」、林野庁「森林の現状と課題」、森づくりネット・しがウェブサイト

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