野生生物種はなぜ減るのか

人間のさまざまな行いが野生生物を絶滅に追いやっています。

●熱帯雨林減少の影響

絶滅のスピードが加速している要因の一つとして、熱帯雨林地域での植物の減少が大きく影響しているようです。熱帯雨林は陸地の面積の7%程度を占めるにすぎないにもかかわらず、未知の種を含め生物の種の半数以上が存在すると考えられています。熱帯雨林が耕地開発などで伐採され、急激に減少する危機に瀕していることが理由で、野生生物種の減少が極めて深刻化していると分析されていて、今後25年間に4~8%の生物種が絶滅するという試算もあるようです。

●生息環境の破壊

これまで野生生物種を脅かしてきた要因は、主に密猟・乱獲、農産物や家畜を守るための捕獲、生息環境の破壊、外来種の持ち込みによる生態系の変化とされます。野生生物種の減少が最も明らかと考えられているのが、アフリカ、中南米、東南アジアの熱帯雨林地域です。これらの地域では先に挙げた生息環境の破壊が特に深刻なようで、焼畑移動耕作による森林の減少、薪や炭のための材木の過剰採取、過放牧、無秩序な用材の伐採などで生息環境が破壊され、種の減少が進行しているようです。ここであげた原因の背景には、貧困や内戦などによる社会制度の不備、人口急増などの要因があるようです。

●気候の変動

上記要因に加え最近特に問題視されているのが「気候変動」です。野生生物の絶滅の危険をさらに増大させてしまう恐れが心配されています。地球温暖化により寒冷な地域や高地に生息する生き物は行き場を失い絶滅の危機を迎えます。例えば世界中の海で見られるサンゴの白化(白くなり死滅する現象)は、海水温の上昇が原因とされています。最近100年間において海水温は世界平均において0.5度上昇しているとされ、サンゴによってつくられる生態系には海洋魚類の約3割が生息する生き物の宝庫であるとともに環境の変化に敏感な生態系ともいえるようです。 また、気候の変化により新たな地域でこれまで生息できなかった昆虫などの生物が増殖するということもあります。
地球温暖化により絶滅の危機にある動物の例として、ホッキョクグマ、コアラ、ユキヒョウ、ジャイアントパンダ、ウミイグアナ、トナカイ、セイウチ、アオウミガメ、シロナガスクジラなどを、WWFは挙げています。野生動物の絶滅は気候変動だけが原因ではなく、上記のような要因が複合的に絡み生物への圧力を加速させ、生物多様性を脅かすことが心配されています。

参考:環境省ウェブサイト「いのちはつながっている 生物多様性を考えよう」、WWF JAPANウェブサイト「地球温暖化による野生生物への影響」、山形大学環境保全センターウェブサイト「野生生物種の絶滅」、一般財団法人 環境イノベーション情報機構ウェブサイト「野生生物種の減少のメカニズム」

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