プラネタリー・バウンダリーを意識した生活

地球社会の一員として、一人ひとりが日常生活の中で取り組めることがあります。

●地球を守りながら発展していくために

社会はプラネタリー・バウンダリーを超えずに、安全に機能する範囲内での発展を目指す時代になりました。人類の進歩は地球の状態抜きには考えられないことを世界のリーダーたちが認識し、SDGsを実践する動きが始まっています。国連や国家といった大きな枠組みが経済、社会をリードしながらも、地方レベルでの自然環境の保護や地域社会、個人による取り組みの推進も始まっています。
国や地域で分かれているのではなく全てがつながっていると捉えて、地球という共有地で気候システムやオゾン層、有限な水資源から、清浄な空気に至るまで、私たちは日々どのような状態にあるかということに関心を向けたいものです。一人ひとりの日々の行動が地球全体に影響を及ぼしているという意識を持つことが求められる時代になっています。

●脱化石燃料と食料問題

人類が今すぐに取り組むべき分野は、一つは脱化石燃料化、もう一つは持続可能な食料供給の実現といわれています。現在の世界の一次エネルギー消費量は風力発電だけでも十分補えるという試算があり、さらにバイオマス、太陽光、水力発電を加えると、再生可能エネルギーの潜在供給力は人間の活動を支えるのに十分な量があると試算され、あとはいかに迅速に移行させていくかということになります。食糧問題については増え続ける人口に対し地球に負荷を与えない持続可能な方法で、いかに生産供給していくかが課題です。その中で有機栽培の推進、海洋資源の見直しなどが重視されています。

●生活の中でできること

私たちの日常の中でも太陽光発電を部分的にでも取り入れる、有機栽培の農作物を取り入れる、畜産物の消費と海産物の消費のバランスを考える、食品廃棄を減らすなど、取り組めることはいくつもあります。地球の一員として自分にできることをまず意識し、一つでも実行することが将来の地球を護ることにつながっていきそうです。

参考:「小さな地球の大きな世界 プラネタリー・バウンダリーと持続可能な開発」丸善出版株式会社

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