野生生物種の絶滅

25~30年後には地球上の全生物の1/4が失われてしまうとの報告があります。

●絶滅危惧種とは

IUCN(国際自然保護連合)によるとこれまでに存在が知られている生物の全種数は約212万8,000種といわれ、この内の約13万8,374種は絶滅危機の可能性がある※とされています。絶滅のおそれのある野生生物をリストアップしデータベースにまとめた「レッドリスト(正式名称:絶滅のおそれのある種のレッドリスト)」では、絶滅のおそれがある野生生物を絶滅危惧種と呼びます。絶滅危惧種の評価は哺乳類や鳥類、両生類などで主に研究が進んでいて多くの種の危機が明らかですが、分類群によってはまだ研究や調査が不十分で危機の現状が分かっていないものもあり、魚類や無脊椎動物などは現時点で調査が十分に行なわれておらず、今後研究が進めばより多くの種の危機が明らかになる可能性があるとされ、現在の絶滅危惧種の数は、世界全体の野生生物の危機的な現状を部分的に明らかにしたものでしかないということが強調されています。

※出典:「絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト「レッドリスト」について2020/12/10」WWF( World Wide Fund for Nature、世界自然保護基金) JAPAN

●絶滅スピードの加速

山形大学医学部の研究報告によると、1年間に絶滅した種の数は、恐竜時代は1年間に0.001種、1万年前には0.01種、1000年前には0.1種、100年前からは1年間に1種の割合で生物が絶滅していました。絶滅のスピードは加速され現在では1日に約100種。1年間に約4万種がこの地球上から姿を消しているとのことです。この100年で約4万倍以上のスピードになり、現在も加速を続けていて、このままでは25~30年後には地球上の全生物の1/4が失われてしまうとも報告されているのです。

参考:環境省ウェブサイト「いのちはつながっている 生物多様性を考えよう」、WWF JAPANウェブサイト「地球温暖化による野生生物への影響」、山形大学環境保全センターウェブサイト「野生生物種の絶滅」、一般財団法人 環境イノベーション情報機構ウェブサイト「野生生物種の減少のメカニズム」

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