平均寿命と健康寿命

年々平均寿命が伸び続ける一方で、健康寿命を伸ばしていくことがこれからの課題とされています。

●平均寿命と健康寿命の差は13年

2021年に発表された統計によると、2021年の日本の100歳以上の高齢者の数は86,510人(前年比+6,060人)※1。100歳以上の高齢者のうち女性は76,450人で全体の約88%を占めます。これまでの100歳以上の高齢者数を振り返ると、1963年には153人だったのが1981年に千人を超え、1998年に1万人を超え、2012年には5万人を超え、年々飛躍的に増えています。平均寿命の伸びも順調で、2020年の女性は87.74歳、男性は81.64歳。女性は世界第一位で、男性は世界第二位です(男性の第一位はスイスで81.9歳)。
一方で日常生活に制限のない健康寿命と平均寿命の差が日本では他先進国と比べて大きく、その差は2016年の報告では女性では約13年、男性では約8年となっています。寿命が伸びても自分の意志で自由に行動できず、場合によっては寝たきりで過ごすのは好ましくなく、健康寿命を伸ばしていくことがこれからの課題とされます。

●110歳以上と健康寿命

100歳以上の方々の健康寿命の傾向やライフスタイルについて、近年世界的に研究がされています。一般に100歳以上の人は「センチナリアン(百寿者)」、110歳以上の人は「スーパーセンチナリアン(超百寿者)」と呼ばれ、スーパーセンチナリアンは単に長生きなだけではなく、自立した生活を送っている人が世界的に多いため、敬意と驚異を込めて「スーパー」と呼ばれているようです。
移動や食事、排泄など「生活に最低限必要な行動をどれくらい自立して行うことができるか」を100点満点で示す「バーゼル指数」という数値があり、この値を100歳から104歳の前期センチナリアンと105歳〜109歳の後期センチナリアン、スーパーセンチナリアンで比較(後期センチナリアン、スーパーセンチナリアンは100〜104歳時点の数値で比較)したとき、スーパーセンチナリアンは他の長寿者よりバーゼル指数の平均値が高かったという報告※2があるようです。また、スーパーセンチナリアンは高齢者によく見られる糖尿病などの疾患が少なく、脳の機能が維持されていることも報告されていて、理想的な健康長寿の姿が実現されているようです。スーパーセンチナリアンは地域によっては珍しい存在ではなく、人間が元気に長生きする可能性を示してくれています。

※1:2021年9月14日時点
※2:別冊ニュートン「老いの取り扱い説明書」株式会社ニュートンプレスP39

参考:「健康寿命120歳説」株式会社三五館、「不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる」株式会社かんき出版、「LIFE SPAN 老いなき世界」株式会社東洋経済新報社、別冊ニュートン「老いの取扱説明書」株式会社ニュートンプレス

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