エイジングの外的要因と内的要因
エイジングケアとは、肌のよい状態を長く保っていくことです。ですからエイジングケアとは、肌そのものをお手入れすることだけでなく、肌に影響をあたえる外的要因を意識的にコントロールしていくことも含みます。図は、肌に影響をおよぼす様々な要因を外的要因(体の外からうける影響)と内的要因(体の中でおこる変化)にわけ、さらに外的要因を “コントロールしにくい要因” と “コントロールしやすい要因” の二つにわけて図にしています。
ご自分のライフスタイルを振り返り、自分の肌がどのような外的要因から影響をうけているのかを確認してみましょう。
図の中でも、特に影響が大きく、すべての方に共通である要因をみていきましょう。
エイジングの代表的な外的要因
●紫外線A波
・影響
紫外線は波長によって、A波、B波、C波とわけられますが、その中でも生活紫外線とよばれる紫外線A波は、肌のエイジングに多大な影響を及ぼします。紫外線A波は、自覚症状がないうちに肌の奥深く真皮層まで到達しています。炎症をおこしてヒリヒリするという状態をおこさずに、肌内部のコラーゲン、エラスチンに影響を与えつづけます。そして、長年の影響で肌がたるみ、深いしわができてしまい、肌のエイジングを進行させることとなります。
・対策
紫外線を浴びないことが最も大切です。雲やガラス窓を通過して、肌に到達しますので、帽子、日傘、サングラスなどを活用して対策をとりましょう。洗濯物を干す、ゴミを捨てにいくなど、日常のちょっとした行動の中でも紫外線にあたらないよう留意しましょう。また、肌表面が乾燥していると、より影響をうけやすくなるので、まずはたっぷりと保湿して保護することが大切です。そのうえでUV対策のクリームなどをつけるのがよいでしょう。
関連記事:紫外線とは
●乾燥
・影響
空気が乾燥していると肌表面の水分が奪われがちです。肌表面が乾燥すると、肌表面のバリア機能が弱くなり、肌内部に悪影響を及ぼします。たとえば、雑菌などの異物が入りやすくなり肌トラブルをおこすと、肌内部の水分がさらに奪われて肌細胞の調子が悪くなります。細胞は、主にタンパク質と水分で組成されているので、水分が不足することにより細胞の状態が悪くなり、肌が硬くごわごわした状態となります。このように肌が乾燥した状態におかれると、肌のエイジングを進行させることとなってしまいます。
・対策
潤っている肌の状態では、スキンケアが終わったあと、手の甲を頬に当て、ぴったりと手の甲に頬がついてくる、つきたてのお餅がすいついてくるような感じがあります。頬がついてこない場合は、潤いが足りないので、スキンケア製品の使用量が少ないかもしれません。使う量を見直してみましょう。
部屋の湿度を意識しましょう。肌には湿度60%くらいが適しているといわれています。エアコンをつけている時は、加湿器をつけるなど工夫しましょう。
水分をこまめにとることを、心がけましょう。
エイジングの代表的な内的要因
●酸化
・影響
酸化とは、酸素がなにかと結びついて変化を起こすことで、金属が錆びること、果物や野菜の切り口が変色することも酸化です。このような変化が体内の細胞でもおこります。酸化が肌細胞でおこると、細胞内のDNAやタンパク質が傷つくことにより、細胞が正しく再生されなくなる、または再生のスピードが遅くなります。そして、肌の状態が悪くなり、シワ・タルミ・くすみなどにむすびつき、肌のエイジングを進行させます。
・対策
ストレスや睡眠不足は、酸化を加速させるので、できるだけ避けましょう。抗酸化作用のある栄養素を含む食品を積極的に摂りましょう。
●糖化
・影響
糖化とは、タンパク質と糖が結びついて、AGEs(最終糖化産物)に変化することを糖化とよびます。糖化は肌の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンを破壊し、肌の弾力やタルミを失わせます。またAGEsは褐色であるため、肌をくすませます。このように糖化は、肌のエイジングを進行させます。
・対策
とりすぎた糖質があると、タンパク質と結合しやすくなるので糖質をとりすぎないように心がけましょう。野菜から食べるなど、血糖値が上がらないような食べ方を工夫するのがお勧めです。食後に、緑茶やカモミールティーをとるのもお勧めです。毎日の食生活は、糖化に大きく影響を及ぼします。