8020運動とは


8020(ハチマルニイマル)運動とは、厚生労働省と日本歯科医師会が1989年より推進する「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができるといわれていることから、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いでこの運動が始まりました。健康な歯を保つことは、赤ちゃんから高齢者になるまで一生を通じて、楽しく充実した食生活を送り続けるためにも大切です。
15歳頃までに生え変わる永久歯は、親知らず4本を含め全て生え揃うと32本になりますが、親知らずは生えなかったり抜いてしまう場合もあるため、歯の本数は人により28本~32本です。日本歯科総合研究機構による「平均現在歯数の経年推移(歯科疾患実態調査)」によると、50代頃から歯の本数の減少が顕著になるようです。

●8020運動の成果

8020運動開始当初、1989年の平均残存歯数は4~5本で達成率は7%程度でした。しかし、さまざまな運動の結果2005年には80歳~84歳の達成率は21.1%で、85歳以上でも8.3%に伸長し、2007年の報告では全体で25%を達成しました。2017年の報告では達成は51.2%となり飛躍的に伸びています。

●歯の数と長寿との関係

これまでの研究調査から歯の本数と健康寿命には明らかな相関関係があることがわかっているようです。歯が多く残っている人は要介護になりにくく、自分の歯を無くしても入れ歯等で口腔機能を保っている高齢者は認知症になりにくく、転倒も少ないということがわかってきています。8020達成者は非達成者よりも生活の質(QOL)を良好に保ち、社会活動意欲があり、また、残っている歯の本数が多いほど寿命が長いという調査結果もあります。

関連記事:年齢と歯の健康

参考:e-ヘルスネット「8020達成のための必要な予防対策」「8020運動とは」、日本歯科医師会ウェブサイト「ご存じですか8020 歯の学校」

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