光老化の予防
まずは紫外線の特徴を知り、生活の中で意識することから始めましょう。
●紫外線は散乱光に要注意
紫外線は直射光だけではなく散乱光・反射光があります。紫外線は波長が短いため散乱しやすく、直射光を遮っても大気中のちりやホコリ、水滴などさまざまな微小な物質に反射して肌に届いてしまいます。私たちが浴びる紫外線の8割が散乱光・反射光で、雪山などではさらにその量が増えます。日傘や帽子を使ってもUVクリームを塗っていないと日焼けしてしまうのは、散乱光・反射光が肌に届いてしまうからです。帽子のツバは10cm以上で効果があるとされます。しかし、標準的なキャップタイプの帽子のつばの長さは7cmほどで、顔の正面が浴びる紫外線量は6割程度しかカットされないということです。一方、つばの長さが全周13cmでも紫外線を完全にカットすることはできなかったという報告もあり、帽子だけで紫外線対策をするのが難しいことがわかります。
散乱光・反射光から皮膚を防御するには、帽子や日傘、UVクリーム、UV加工された衣服などを組み合わせて対策をとるとよいでしょう。UVクリームは温度が高い時期は汗をかくと肌表面から落ちてしまうので、こまめな塗り直しが大切です。目は適切なサングラスをつけることで散乱光からもほぼ守ることができるようですので、サングラスを常時持ち歩いていると安心です。また、太陽の角度は50度以上になると紫外線量が増すという報告があります。太陽角度は季節によって変わるので外出は太陽角度が低い時間を意識するとよさそうです。
●紫外線対策は男女全年齢の健康対策
最近では幼児や子供の紫外線対策が一般的になり、夏場の水泳や外出でもきめ細やかな対策がとられていることが多いようです。女性よりも男性の方が紫外線への感受性が強いという報告もあり、男性も光老化を未然に防ぐことを考える時代になってきているかもしれません。しかし、日本においては男性の紫外線への意識がまだあまり高くないように見受けられ、60歳頃から顔や手の甲、首などにはっきりとした老人性色素斑(シミ)が見られることも少なくないようです。
人生100年時代ともいわれる今、女性も男性も若い時から紫外線対策を行うことが望まれます。紫外線対策は老化対策、そして健康対策として捉え、外出時に紫外線クリームやUV加工された衣服を活用することを習慣化していくとよいでしょう。
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参考:「皮膚の光老化とサンケアの科学」有限会社フレグランスジャーナル社