表情筋と老化印象

老化印象を招くシワやタルミの原因は、肌表面の乾燥、表情の変化、肌の真皮部分にあるコラーゲンやエラスチンの構造の変化、皮膚の奥にある表情筋が衰えることなど多岐にわたりますが、表情筋の衰えが原因と考える方は少ないようです。
皮膚の奥にある表情筋は顔全体で約30種類あり、皮膚を支える土台となっています。手足の筋肉などと構造が違い、薄くて幅広の筋肉が多く、伸縮する幅の広い包帯のようなイメージです。表情筋は喜怒哀楽をコントロールするだけでなく、重力に逆らって顔全体を引き上げる働きもしています。年齢を重ねるにつれて表情筋が衰えると重力に逆らう力が徐々に弱まり顔全体が下がり老化印象を強めていきます。

●シワ・タルミと関係する表情筋

表情筋の変化は、顔の老化印象に直結しています。

・ほっぺた筋(大頬骨筋と小頬骨筋)

ほおや口角を引き上げる筋肉。衰えるとほおのタルミ法令線が深くなり、口角が下がって老化印象を強めます。

・眼輪筋

目のまわりをぐるりと囲む筋肉。目の下のタルミや目尻下がり、目頭の下からほおにかけて伸びるシワに関係しています。

・まぶた筋(眼瞼挙筋)とまゆ寄せ筋(愁眉筋)

額の横シワや眉間のシワに関係しています。

・首すじ筋(広頚筋、胸鎖乳突筋)

首を前後左右に動かすための筋肉。衰えると首のタルミやシワにつながります。
 

●美容筋膜

筋膜とは筋肉や内臓などを包み込みつなぎ合わせる薄い膜です。顔の皮膚の下には表情筋同士をつなぐ薄いシートのような「美容筋膜(表在性筋膜、スマス筋膜)」があります。美容筋膜は顔のほおのあたりにあり上は頭皮の下にある膜と下側は首の筋肉とつながりほお全体を支えています。美容筋膜に厚みと柔軟性があると表情筋と共に美容筋膜もなめらかに伸縮し顔全体を引き上げます。しかし、美容筋膜が衰え薄くなると顔全体を引き上げることが難しくなり、ほおが垂れ下がりシワやタルミができやすくなります。表情筋の動きも悪くなり無表情に見えることが多くなるようです。

※美容筋肉は「顔のたるみ しわ・老け・顔太り 自力で一掃! 名医が教える最新1分美顔術」で使用されている表現です。

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参考:「顔のたるみ しわ・老け・顔太り 自力で一掃! 名医が教える最新1分美顔術」株式会社文響社、「1週間後には「マイナス7歳」見ちがえる! 間々田佳子のかんたん顔筋トレ」株式会社KADOKAWA

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