光老化とは

光老化は長年にわたり太陽光線を浴び続けることで起こります。

●目と皮膚が光老化の影響を受けやすい

地球に住むすべての生物には寿命があり、個人差は大きくあるものの人間の最大寿命は現在のところ120歳とされています。人間が老化し寿命があるのは細胞の遺伝子に老化がプログラムされていると考えられていて、加齢による細胞の老化は「一般老化」と呼ばれます。この「一般老化」とは別に長年にわたり日光を浴びている部分にだけ起こる老化は「光老化」と呼ばれます。光老化が最も現れやすいのは紫外線に曝され続ける目と皮膚です。
目は長期的に紫外線に曝され続けることで、老人性白内障の原因になることが分かっています。皮膚は顔や首、手の甲など紫外線を浴びる時間が多いところに、年齢に応じて光老化の顕著な特徴が現れます。第一印象で年齢がだいたい分かるともいわれますが、顔や首のシワやシミ、手の甲のシワやシミなどは、その一例です。20歳を過ぎるとこういった年齢的特徴とされるシミやシワが徐々に現れ始め、それらは年齢によるものと考えられがちですが、その原因は一般老化ではなく光老化だと長年の研究で認められています。

●光老化に関係する要因

光老化による肌の変化は住む地域、人種やライフスタイルにより大きく異なることが調査研究でわかっています。仕事やスポーツで日常的に太陽光を浴び続けていると、60歳頃には皮膚に深いシワができ皮膚表面が灰褐色になる場合が多いという報告もあります。また、住む地域、例えば紫外線が少ない秋田の女性は鹿児島の女性に比べ、光老化が進むのが遅いという報告もあります。さらに、紫外線量が多いオーストラリアでは、紫外線からからだを守るメラニン色素が少ない白人が太陽光をビーチなどで日常的に多く浴びていた結果、光老化を原因とする皮膚癌が多発し社会問題になりました。オーストラリアでは1980年代より「スリップ(長袖を着る)、スロップ(サンルクリーン剤を塗る)、スラップ(帽子をかぶる)」という標語のもと、紫外線予防が国民に広く呼びかけられています。このように光老化が社会的課題となっている国もあるほど、紫外線は人間に大きなマイナスのインパクトをもたらす一面があるのです。

参考:「皮膚の光老化とサンケアの科学」有限会社フレグランスジャーナル社

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