肌とともに変化するエイジングケア

加齢と共に変化する肌の状態を見極めて、意識的に見直すことが大切です。

●一生続けるスキンケア

2020年の日本人女性の平均寿命は約87歳。喜ばしいことに統計発表のたびに伸長傾向にあります。一方肌の老化は28歳頃から徐々に始まるとされ、女性ホルモンの分泌量が大きく減る40代から50代半ばの更年期では特に急速に進むといわれます。このように人生の半分ほどは肌の老化と共に過ごすことになります。個人差はあるにせよ、肌の老化は全ての女性にとって避けて通れない課題といえるでしょう。
年齢に関わらず肌の状態はいつも私たちの気持ちに大きな影響を及ぼすといえます。肌の状態がよいと自然と気持ちも明るく前向きに。年齢を重ねても自分が納得できる肌状態でいるためには、肌の将来の変化を見つめてエイジングケアを積極的に意識し、実践していきたいものです。
年齢の他に肌の老化に影響する要因としてスキンケアの質や紫外線、睡眠や食生活、ストレスなどがあり、私たちがコントロールできるものも少なくありません。これらのさまざまな要因が実年齢と印象年齢の違いを生むようです。

●エイジングケアの3段階

スキンケアは毎日の生活習慣のひとつとなっている方が多く、その内容を見直す機会に気がつかない方もいます。20代、30代の頃と同じスキンケアを、40代、50代になっても続けている場合があるかもしれません。肌も年齢と共に変化をしていきますので、肌の状態を見極めてスキンケアを変えていくことを意識したいものです。
紫外線は肌の老化を加速させます。UVAは肌奥の真皮層のコラーゲン、エラスチンを破壊し、UVBは肌表面でシミやシワの原因をつくります。紫外線のダメージは長年による積み重ねも影響するといわれ、20代にうけたダメージが40代以降の肌老化に影響するともいわれます。そして肌のうるおいは、主に表皮一番上にある角質細胞に含まれる天然保湿因子と角質細胞と角質細胞の間にある角質細胞間脂質によって保たれます。しかしこれらは年齢と共に減少し肌は乾燥しがちになります。また肌の奥にある真皮層では繊維芽細胞が肌の弾力を生み出すコラーゲン、エラスチンを生み出しますが、年齢と共に繊維芽細胞の働きは弱まることが報告されています。
これらの肌の変化に合わせて、エイジングケアも前期(40歳頃まで)、中期(40代〜50代半ば頃)、後期(50代半ば以降)と3段階に分けて捉え、ケアするポイントを変えていってもよいかもしれません。前期では主に肌全体を長期に渡り老化させる紫外線対策強化を、中期では減少していく天然保湿因子と角質細胞間脂質を補うことを意識したうるおい強化を、そして後期では肌全体のエイジングをケアする成分強化を重点的に意識してもよいでしょう。生活習慣も含めたエイジングケアへの積極的な取り組みは、10年後20年後に大きな違いを生むかもしれません。

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参考:「正しいスキンケア事典」株式会社高橋書店、「スキンケア大事典」株式会社毎日コミュニケーションズ

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