毛髪の構造
毛髪は、表皮の一部がからだの内側に入り込んでできた毛包という組織で作られます。毛包は毛球を包んでいる部分で、ヘアサイクルにしたがって形態を変え、髪の成長に大きな役割を担っています。毛包の底部には毛母細胞があり、盛んに増殖しながら表面へと向かい、たんぱく質や核を失って毛髪になります。この一連の過程を角化と呼びます。
毛包の底にある、毛母細胞に囲まれた組織は毛乳頭と呼ばれ、その中には毛を作る角化細胞や、メラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)があります。角化細胞は色素細胞からメラニン色素を受け取り、その量によって毛髪の色が決まります。
●毛髪のタイプ
角化した毛母細胞の一部は、毛髪を包む「さや」になります。このさやは毛髪よりも早く固まり、その内側の毛髪が角化するときの鋳型になっていると考えられています。毛髪のタイプには直毛、波状毛、縮毛などがあり、直毛の毛包は基部までまっすぐで、横に輪切りにした断面図では毛髪もさやも真円になっています。波状毛や縮毛の場合、毛包の基部が歪曲していて、断面図は楕円形です。そのため、髪が成長するときにひずみができ、髪に癖が生まれると考えられます。