白髪と頭皮ケア

●頭皮常在菌

頭皮にはおよそ1000種類ほどの常在菌がいるといわれますが、少ない人は30種類以下、多い人は900種類近くと個人差があります。多少がよい悪いということはないようです。日本人全員の頭皮に共通することは、頭皮で検出される約1000種類の常在菌のうちアクネ菌、表皮ブドウ球菌、コリネバクテリウム菌の3種類の菌が全体の約9割を占め、これらの三大頭皮菌のバランスが頭皮環境に影響することが報告されています。コリネバクテリウムが過剰に増えると頭皮に炎症が起こりやすくなり、毛根の細胞機能が低下して薄毛や白髪につながる可能性が指摘されています。
三大頭皮菌の他では、エンテロコッカス菌は頭皮にごくわずかに存在するだけでも薄毛や白髪を発生させるリスクを大幅に高めることがわかっています。代謝の過程で過酸化水素を生み出し、過酸化水素は頭皮に炎症につながる酸化ダメージを与えることから老化促進物質とも呼ばれます。エンテロコッカス菌は年齢とともに占める割合が増え、20代では約3割の人の頭皮に存在する程度なのが50代になると約93%の人の頭皮で検出されます。
頭皮に汚れや皮脂が残っていると頭皮常在菌のバランスが乱れ、炎症につながる場合もあります。シャンプーで汚れを落として頭皮を清潔に保つことが大切です。

●血流対策

髪の毛根にある毛母細胞は頭皮の毛細血管から栄養を吸収し、新しい髪を生み出しています。頭皮の血流が低下すると髪の素材となるタンパク質や髪の合成に必要なミネラルが毛根に十分に届けられなくなり髪をつくることに影響がでます。白髪対策のうえでも頭皮の血流に気を配ることが大切です。血流対策の一つとしてシャンプーをするときに一緒に頭皮マッサージ行うとよいでしょう。あまり力をいれずに指の腹を頭皮に添え、頭皮を動かしながら優しく揉むように洗います。また、頭皮の血流は全身の血流とも関係しています。適度な運動習慣は全身の血流改善によい影響を及ぼしますので、無理のない範囲でウォーキングやジョギングなどを行うとよいでしょう。

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参考:「「女性の薄毛・抜け毛」お悩み解消BOOK:女性頭髪専門医が教える、本当のヘアケア」株式会社主婦と生活社、「印象は髪がすべて 大人髪のトリセツ」株式会社KADOKAWA

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