環境や悩みと栄養素

加齢による体調の変化や生活スタイル、季節の影響などから、さまざまな悩みや症状が現れることがあります。不足しがちな栄養素を効率的に補給することで、からだの調子を整え、すこやかな毎日を過ごしましょう。

●ストレスが多い

疲労やストレスを感じると、感情の乱れや判断力の欠如、落ち着きがなくなるなど行動に変化が出たり、飲酒や過食など食行動に変化が出る場合があります。このようなとき、体内では水溶性のビタミン(ビタミンCやB群)が大量に消費され、からだの老化を促進する活性酸素が大量に発生します。慢性的なだるさや疲労感を改善するビタミンB群、神経系に関与するカルシウムやマグネシウム、免疫力を高めるビタミンCを十分に摂ること。また、ストレスによる細胞ダメージを和らげるホルモンの分泌を調整するとされるビタミンB群の一種であるパントテン酸を摂取することもおすすめです。

●花粉症

花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを主な症状とする点で風邪と似ていますが、目のかゆみや充血を伴うことが特徴です。これらのアレルギー症状の原因の1つに、腸内の悪玉菌の関与があげられます。食生活や便秘の改善、腸の健康を維持することは、免疫機能を整えアレルギー症状を軽減することに役立ちます。他は、マグロやカツオ、鶏のささみなどに多く含まれるビタミンB6は、免疫機能を正常に保つ働きがあるといわれています。また、花粉症に良いものとして、プロポリス、甜茶、シソなどポリフェノールを豊富に含む素材に注目が集まっています。

●肌トラブル

【シワ・たるみ】

シワやたるみの主な原因は、紫外線などの環境ダメージによって発生する活性酸素が、真皮のコラーゲンを破壊すること。抗酸化力が高く細胞の老化を防ぐビタミンC、ビタミンE、β-カロテンをしっかりと摂ることが大切です。特にビタミンCはコラーゲンの生成にも欠かせない栄養素で、肌にハリとうるおいを与えます。

【シミ・ソバカス】

紫外線によって過剰に発生するメラニン色素が主な原因。メラニンの生成を抑制するビタミンC、肌の新陳代謝を促すビタミンEを積極的に摂りましょう。また、老人性のシミには、β-カロテンやビタミンAをプラスすると効果的です。

【ニキビ・大人ニキビ】

皮脂や汚れで毛穴が詰まり、細菌などによる炎症を起こしている状態。肌の新陳代謝を促し、細菌への抵抗力を高めるビタミンA、過剰な皮脂分泌を整えて毛穴を詰まりにくくするビタミンB2やビタミンB6がおすすめです。また、ニキビは活性酸素の影響を受けるので、抗酸化力の高いビタミンCも効果的です。

【乾燥肌】

皮脂分泌の異常や血行不良、代謝不良から起こる肌あれ。皮膚や粘膜を守るビタミンB群や、新陳代謝を活発にするビタミンA、血行を高めるビタミンE、細胞膜を構成するリン脂質の成分となる必須脂肪酸などを併せて摂ることがおすすめです。

●骨粗しょう症

骨粗しょう症とは、骨密度が低下し、骨がもろくなる病気です。通常、カルシウムは骨の中に蓄積されていますが、血液中のカルシウム濃度が下がると、血液に、骨中のカルシウムが動員されます。更年期以上の女性に多い病気ですが、偏食や過激なダイエットなどの影響で、若い女性にも予備軍が増えているといわれます。カルシウムやビタミンDを積極的に摂取するだけでなく、カルシウムの骨への沈着をサポートするビタミンK、コラーゲン生成に不可欠なビタミンCも併せて摂りましょう。運動により、骨の新陳代謝を活発にしたり、血流を促進することも骨の形成に役立ちます。

●便秘

目安として、1週間に便通が3回未満の状況を便秘といいます。体質による場合もありますが、食事量が少なかったり、運動不足やストレスが原因になっていることもあります。対策としては、食事を規則正しく摂り、排便リズムを整えること。また、便秘の多くは腸内の水分不足、食物繊維不足が考えられるので、こまめな水分補給、野菜、海藻、キノコなど食物繊維が豊富な食材を摂ることが大切です。アロエ、ノニなどもよいでしょう。

●眼精疲労

眼精疲労の主な症状には、目がしょぼしょぼ、チカチカ、ゴロゴロする、充血、痛みやかゆみ、ドライアイなどがあります。アントシアニンを豊富に含むブルーベリーは、欧米では医薬品として眼精疲労への効果が知られています。また、網膜にあり光の明暗を感じたり、色の識別にも関わるロドプシンは、ビタミンAとたんぱく質からできています。目の細胞を活性酸素から守るビタミンE、視神経の働きに作用するビタミンB群(特にB1、B6、B12)や、目の粘膜の機能を整えるビタミンB2も積極的に摂りたいもの。また、パソコンやスマートフォンなどから出るブルーライトから目を守るためには、カロテノイドの一種、ルテインを多く含む食材がおすすめです。

●二日酔い

二日酔いとは、自分の代謝能力を超える量のアルコールを摂取したことで起こる、頭痛や吐き気、めまい、食欲不振などの不快な症状のことです。アルコールの代謝機能は肝臓が担っていますが、アルコールの分解を高める補酵素として関わるのはナイアシンです。また、ビタミンCにもアルコールの分解を助ける作用があり、飲酒の際に摂ることで悪酔いを防ぐ効果があります。飲み過ぎで弱った内臓のケアや、アルコール性肝炎の予防にはビタミンEが効果的。お酒が好きな方には、肝臓の働きをサポートするタウリンやクルクミンの入った食品(カキ、しじみ、ホタテ、ウコンなど)や、肝臓の細胞を修復・保護するとされるマリアアザミなどの成分もおすすめです。

●更年期障害

卵巣機能の低下によって女性ホルモンが減少することから、ホルモンバランスが乱れてさまざまな不調を感じるようになります。顔のほてりやのぼせ、頭痛、肩こり、腰痛、動悸、冷え、発汗など。また、イライラや不安感、感情の起伏など精神的な症状が見られることもあります。これらの症状に良いとされるのが、生殖ホルモンと関わりを持つビタミンE。また、効果的なアプローチとしては、女性ホルモンのような働きをするイソフラボンが知られています。その他、ホルモンバランスを整える成分としては、パントテン酸、コリン、イノシトール、亜麻仁油(オメガ3系脂肪酸)などもあります。