7大栄養素⑥ 食物繊維

腸内環境を整え、腸内細菌の働きをサポート

食物繊維は体内で消化・吸収できない食物成分のため、以前はからだに必要ないものと考えられていました。しかし、現在では「第6の栄養素」として健康維持に欠かせない成分とされています。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性のものと水に溶けにくい不溶性のものがあり、いずれも腸内環境を整える働きをサポートしています。水溶性食物繊維は食べたものをゆっくりと移動させたり、糖質の吸収スピードを抑えてくれたりします。一方、不溶性食物繊維は「ぜん動運動」を活発にして、老廃物の排出を促します。

●健康的な腸内環境には、腸内細菌のバランスが大切

腸は、消化、吸収、代謝、排泄などたくさんの働きをしているため、腸内の環境は、からだの健康に大きな影響を与えます。腸内には100兆個以上の細菌が生息しています。腸内細菌は、からだの健康を保つ働きをする善玉菌、増えすぎると体調不良や疾病を招く悪玉菌、善玉菌と悪玉菌のいずれか優位な方になり得る日和見菌という3つに大きく分けられます。この3つの菌がバランスよく存在することで、腸の働きを健康に保つことができます。これら腸内細菌の働きをサポートする成分が食物繊維です。

●善玉菌を有利に働かせる「イヌリン」

食物繊維と共に腸内環境を整えてくれる物質のひとつに、「プレバイオティクス」があります。善玉菌を有利に働かせる微生物や食品(プロバイオティクス)のえさとなるもので、オリゴ糖やイヌリンなどがこれにあたります。特に水溶性食物繊維の「イヌリン」は、重要な役割を担っています。腸内をゆっくり移動しながら、ブドウ糖の生成を抑制したり、ミネラルの吸収をサポートするなどの働きをします。


 

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