冷えとは

●人が体温を保つ仕組み

気温の変化はまず皮膚が感知し、その情報は皮膚から脊髄、脳の視床下部へと伝達されます。脳の視床下部から大脳皮質に気温の情報が伝わると初めて私たちは暑い、寒いなどを意識します。同時に自分の意識とは別に体温を一定に保つための指令が脳の視床下部にある視策前野から全身へ出されます。この指令が交感神経や副交感神経といった自律神経の働きを通じて全身に伝わると、血管の収縮、発汗、内臓や筋肉による熱の産生、放熱などが起こり体温が調整されます。
体内での熱の産生はいくつかの仕組みで行われ、代表的な仕組みは褐色脂肪細胞の燃焼、筋肉の収縮、食物を消化吸収する代謝です。寒いときに鳥肌が立つのは皮膚にある立毛筋を収縮させることで筋肉を動かし熱をつくり体温を保つためです。さらに熱をつくる必要があるときには筋肉を震わせて熱をつくりますが、これは自律神経の働きにより無意識のうちに行われます。
このようにして産生された熱は血液によって全身に運ばれますが、血液の循環がスムーズでないとからだを温めるのに時間がかかります。血液が不足している、血液の状態が悪い、または血液の循環が滞っているなど、血行不良の状態においては熱エネルギーをスムーズに全身に運ぶことができず冷えを招きます。

●冷えの原因

冷えを招く血行不良の主な原因は以下になります。
運動不足 : 同じ姿勢でいると血液の流れが滞り手足の毛細血管に血流が届きにくくなる。
筋肉不足 : 筋肉量が減ると熱の産生と蓄えをしにくくなる。
鉄分不足 : 血中の赤血球、ヘモグロビンが不足し全身の血液が減る。
自律神経の乱れ : 体内の血流をうまく調節できなくなる。
ほかにも、ストレス、脂肪過多、ホルモンバランスの不調、喫煙、食生活の乱れなどが、血行不良を招き冷えの原因となります。

●冷えのタイプ

冷えを感じる部位により「末端冷えタイプ」「下半身冷えタイプ」「内臓冷えタイプ」があります。末端冷えタイプは手先や足先が氷のように冷え、全身の血液量が鉄分不足などを理由に不足していることが多いようです。更年期以降の女性に多い下半身冷えタイプは、顔はほてるが下半身は冷えるという状態で、骨盤のゆがみが原因であることが多いとされます。内臓冷えタイプは自律神経の不調から手足の末端部分の血管の収縮ができず、内臓に血液を送りにくくなることで内臓が冷え、お腹を下しやすい、だるさを感じるなどの症状があるようです。このように冷えはからだ全体と関係しています。

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参考: 「ハーバード大&パリ大医学研究からの最新報告【図解】毛細血管が寿命をのばす」株式会社青春出版社、「「冷え症外来」の医師が教える 冷えとり習慣」株式会社イースト・プレス

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