リンパとむくみ

むくみは、見た目だけでなく全身の健康にも関わります。

●むくみの原因

リンパはリンパ管自体のぜん動運動による流れもありますが、主に筋肉の伸び縮みや呼吸によって流れます。睡眠中、特にノンレム睡眠中は深い腹式呼吸を行うことによりリンパの流れが促されます。また、睡眠中は横になっていることで重力が軽減し全身のリンパの流れがよくなります。日中立って活動していても、横になって十分な睡眠をとっていれば起床時にまでにリンパは流れているとされます。

しかし、日中長時間の立ち仕事や同じ姿勢でデスクワークを続けるなど、筋肉の収縮が極端に少ない場合、また筋肉が固く緊張している状態が長く続いた場合など、リンパの流れが悪くなりむくみが出ることがあります。静脈やリンパの流れが滞ると代謝によって細胞から細胞間液に放出された老廃物や余分な水分、細菌や異物を回収できず細胞間液に残ってしまい、むくみとなります。むくみは不快なだけでなく免疫力の低下や腰痛、肩こり、体重の増加など、様々なからだの不調につながりがちです。

●むくみの解消

リンパは1日2L〜4Lがリンパ管から静脈に戻っているとされ、リンパの流れの良し悪しでその量は大きく変わるようです。マッサージやストレッチなどによりリンパの流れが格段に改善されることはよく知られています。フランスではリンパをマッサージするリンパドレナージュは認可されたセラピストのみが行う医療行為ですが、訓練されたセラピストの施術では、毛細リンパ管が開くことによりリンパの流れが20倍にもなるともいわれます。また、リンパの流れを促すためには「適度な運動」も大切です。息が上がるほどの激しい運動でなくても、例えばウォーキングでもその効果は期待できます。パソコンに向かい同じ姿勢で作業をしたり長時間の立ち仕事をした後などは、背伸びや足の屈伸をしたり深呼吸をするだけでも、リンパの流れをスムーズにする助けになります。

参考:日経BPムック日経ヘルス「リンパストレッチ」株式会社日経BP、「ダニエル・マードン式メディカルリンパドレナージュ リンパとホルモンの解剖生理」株式会社BABジャパン、「3つの体液を流せば健康になる!」株式会社三笠書房、ちくま新書「リンパのふしぎ」株式会社筑摩書房

SHARE