免疫と炎症反応

外傷を負うと患部は赤く腫れて熱をもち痛みが出ます。このような状態を炎症反応と呼びます。患部に入り込んだ細菌を退治し怪我を治すために、免疫系が活動をはじめたことにより血管が広がり傷ついた組織に体液、血液、白血球が集まることで炎症反応は起こります。体内に細菌やウィルスが入った場合も、同じように細菌やウィルスを退治しようとたくさんの免疫細胞が集まり炎症反応を起こします。例えば、肺で起きた場合は肺炎になります。この炎症反応は生きていくうえで欠かせないものです。からだは免疫系の働きで起こる炎症反応によって治癒されるのです。

●健全な炎症反応

免疫系のバランスがよい状態にある場合、怪我や感染などで細菌やウィルスが体内に入ると、その箇所の細胞はサイトカインという警報を体内に発信し助けを求めます。この警報の働きにより好中球などの免疫細胞が呼び集められ細菌やウィルスを退治します。好中球などの免疫細胞は退治という仕事が終わると自然死します。自然死した免疫細胞は免疫系のゴミ収集係と呼ばれるマクロファージがやってきて吸収することで片付けられ、自然死した細胞は残ることなく炎症反応が終わり治癒します。

●不健全な炎症反応

からだの免疫系にアンバランスが生じていると炎症反応から治癒までの流れがスムーズに行われない場合があります。例えば、免疫細胞が退治という仕事を終えた後、後片付けをするマクロファージが十分に集まらないと自然死した細胞から有害な内容物が漏れ始めます。すると好中球がさらに現場に集まることになりゴミ収集係のマクロファージがもっと必要になります。その結果、細胞死、収集されない細胞死体、さらなる細胞死、さらなる細胞死体放置という悪循環に陥ります。このように炎症反応が長期化している状態は慢性炎症と呼ばれます。炎症反応は本来からだを治癒させるために起きますが、慢性炎症は多くの病気につながるものと考えられています。
私達の生活習慣が免疫系の働きに影響し、慢性炎症の要因となることがわかっています。本来からだが持つ免疫系の働きのバランスを乱す要因として、過剰な糖の摂取、不健康な油の摂取、アルコールの摂取、過剰な体脂肪、タバコ、ストレス、睡眠不足、長時間座っていること、大気汚染などが報告されています。また、加齢は免疫系の働きを弱めることもわかっています。健全な炎症反応を起こし速やかに病気や怪我を治癒させるためには、からだをよい状態に保つことが大切です。

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参考: 「「いつも体調がよい人」になる方法、アレルギー専門医が見つけた最高の免疫の作り方」株式会社ユーキャン学び出版、「小説みたいに楽しく読める免疫学講義」株式会社羊土社

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