炭水化物の選択 玄米

明日の命をつくる食べ物を見つめてみませんか。

●食材を選ぶ指針をもつ

炭水化物は主食として摂取量、エネルギー量ともに多くの割合を占める場合がほとんどです。そのため炭水化物の選択は食生活に大きなインパクトをもたらすといえるでしょう。最近では一物全体(種子、実、葉、根)、プラントベース・ホールフード(PBWF)といった指針が注目されつつあります。これらはできるだけ加工しない植物性食品全体の栄養を食生活に取り入れるという考え方です。穀物は籾殻をとり精白され、粉にされるなど、さまざまな加工を経てから食品となることが多く、加工されることで栄養に違いが出ることもあり、最近は加工段階が少ないものに目を向ける人も増えているようです。

●精米工程による米の分類

米は稲穂を乾燥させ籾殻を取り除いた玄米の表面から胚芽や糠層の部分を削り取る「精米」という工程により種類があります。

・玄米

籾殻(もみがら)だけをとった状態、栄養素を豊富に含む糠層や胚芽の部分がそのまま残ります。一晩水に漬けて炊く場合が多いですが、最近では浸水せずに炊けるものも出ています。浸水時1合あたり一つまみ程度の塩を入れることで水の吸収を助けます。炊飯は通常白米より時間をかけて炊き上げます。

・発芽玄米

玄米に水を加えわずかに発芽させた米。発芽することで増える栄養素と減る栄養素があります。

・胚芽米

玄米から糠層を削り胚芽が8割以上残るように精米した米。糠層を削るため玄米や発芽玄米より栄養価はやや落ちますが、玄米に比べ調理が簡単で食べやすいとされます。

・分つき米

玄米のヌカを少し残した、白米と玄米の間の米。三分、五分、七分搗(づき)などがあり、数字が大きくなるにつれ糠と胚芽の量が減り白米に近づきます。

・白米

胚芽や糠層の部分を全て取り除き、胚乳のみを残した状態で、最もやわらかく炊き上がりますが栄養価は玄米に比べ下がります。

●栄養面の違い

玄米と発芽玄米、胚芽米は、糠層、胚芽部が含まれるため、特に食物繊維、マグネシウム、ビタミンE、ビタミンB群、ナイアシンの含有量が白米と違ってきます。糖質の代謝を高めるとされるビタミンB1は、玄米、発芽玄米、胚芽米では、100gあたり0.2g以上含まれますが、白米では0.08gとかなり差があります。玄米は、デンプン、タンパク質、脂質に加えて、水溶性で体の中に貯蔵しておけないビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸や、ホルモンの分泌や肌をサポートするビタミンE、鉄分、マグネシウム、リンなどのミネラルを含み、これらが米と一緒に食べられるのが嬉しいところです。
しかし、玄米にはビタミンAやビタミンCなどは含まれず、これらは別の食品で補うとよいでしょう。糠で覆われている玄米は炊き方にもよりますが若干の硬さがあり、しっかり噛んで食べる必要があります。また、白米に比べ胃腸に負担がかかりがちですので、夜遅い食事や体調が優れないときは控えた方が良いかもしれません。米を数種類揃えておき、献立や体調に合わせて選ぶのもおすすめです。

参考:「胚芽米、発芽玄米の栄養は玄米、白米とくらべてどう違う?」SMART AGRI ウェブサイト記事

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