リンパのポイント

3つのポイントをおさえて、リンパの流れをスムーズに。

●リンパ節とは

リンパ管の途中にはリンパの関所と呼ばれるリンパ節があり、リンパが運んできた老廃物を濾過し、ウィルスや細菌などが来た場合はリンパ節で待機しているリンパ球が強力に攻撃します。リンパ節は全身に600〜700箇所ありそら豆のような形をしています。上半身のリンパ節は米粒大ですが、下半身のリンパ節は大豆粒大と少し大きいようです。リンパ節周辺の筋肉に外側から働きかけることにより、リンパの流れを促すことができます。

●3つのポイントで流す

リンパ節が多く集まるところは、左右の腋窩(脇のした)リンパ節、左右の脚の付け根にある鼠径(そけい)リンパ節、そして胸骨と鎖骨をつなぐ胸鎖関節付近です。胸鎖関節の深部は胸管という太いリンパ管がある箇所です。からだを巡るリンパの走行は左右対象ではなく、右側では右上半身からのリンパが右リンパ本管へ流れこみ、左側の胸管にはそれ以外の全身のリンパが流れ込んでいます。そして右リンパ本管と左側の胸管からそれぞれ左右の静脈角に流れこんで心臓に戻ります。これら両脇の下、両脚の付け根、鎖骨下の3箇所のリンパ節が多く集まるところは「リンパを流す3つのポイント」とされています。

簡単な動作で「リンパを流す3つのポイント」をほぐして、リンパの流れを促していきましょう。※

■両脇の下を押す

①4本の指を脇の下に入れ、親指で肩の前側を押さえ、腕を大きく回す(左右10回ずつ)
②親指を脇の下に入れ、4本の指で後ろ側をつかみながら、腕を大きく回す(左右10回ずつ)

■両脚の股関節を開く

①仰向けに寝て、両脚を30度ほど開いたら、左膝を直角に立てる
②左膝を右側に倒す、続いて左膝を左側に倒す(左右10回ずつ)

■鎖骨さすり

片手を反対側の鎖骨にのせ、手のひら全体で優しく撫でながら往復する(左右10回ずつ)

上のような動作に加えて、手を上に組んでの背伸び、深い深呼吸もリンパの流れによいとされます。同じ姿勢が続くような時は意識して行なうとよいでしょう。また、行う際には強く圧をかけ過ぎないことも大切です。優しくさするような感じで心身のリラックスへ。

※リンパの促しには様々な行い方があります。今回の記事ではその中の一部をご参考としてご紹介しています。 ※体調に合わせてご無理のない範囲で行ってください。 ※妊娠中、発熱中、体調不良の方はお控えください。

参考:日経BPムック日経ヘルス「リンパストレッチ」株式会社日経BP、「ダニエル・マードン式メディカルリンパドレナージュ リンパとホルモンの解剖生理」株式会社BABジャパン、「3つの体液を流せば健康になる!」株式会社三笠書房、ちくま新書「リンパのふしぎ」株式会社筑摩書房

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