唇のケア

肌のターンオーバーがおよそ28日であるのに対し、唇のターンオーバーの周期は短く3.5日ほど。トラブルが起きても早期にケアすることで早い回復が期待できます。

●乾燥ケア・UVケア

唇の潤いを保つためには日頃から唇に油分を十分に与える保湿ケアをすることが重要です。乾燥やカサつきが気になる場合は、油分を補うとよいようです。
リップクリームを使うときには力をいれず、唇表面を優しく撫でるようにつけるとよいでしょう。力を入れると唇に刺激になります。また、塗り方は横に塗るのではなく唇のシワに沿って縦に塗ることがおすすめです。縦に塗ることで唇のシワの奥まで成分が浸透しやすくなり保湿効果のアップが期待できます。唇のシワに逆らって塗ると摩擦による刺激がうまれ唇が荒れる原因となります。スティックタイプのリップクリームは一度使うと唇の細菌がリップクリームに移ります。そのため長期間使っていないリップクリームを口に塗るとリップクリームの雑菌が口の中に入る可能性があるので、開封してから1年を目安に使い切るのがおすすめです。昼間に使用するリップクリームはUV対策を意識して選ぶとよいでしょう。
リップカラーを落とす際は擦って摩擦を与えないよう、クレンジング剤やポイントメイクリムーバーを使って優しく撫でるように落としましょう。

●生活習慣

唇を舌で舐めてしまうと一時的にはうるおいますが、唾液と共に元から唇にあった水分もすぐに蒸発し乾燥が進みますので、唇は舐めないよう意識するとよいでしょう。塩味や辛味が強い飲食物は、塩が唇の水分を奪って唇を乾燥させるようです。ポテトチップスなど外側の塩が唇につくような食品を食べる際には特に注意が必要です。
部屋の環境に気を配ることも大切です。特に冬季は暖房で室内の空気が乾き、唇の荒れが悪化しがちです。加湿器などを適切に使い乾燥を予防しましょう。唇の荒れが改善しない場合は口角炎や口唇炎の症状が重度になっていたり、別の病気が関わっている可能性もあります。日々のケアを行なっても状態が改善しない場合は、皮膚科を受診したほうがよいでしょう。

●マスクの着用

マスクの素材が唇に合わないとトラブルの原因になることもあります。シルクや木綿など自然素材を意識して選ぶのもよいでしょう。またマスク内は温度と湿度が高いため雑菌が繁殖しやすい環境です。汗や皮脂、会話などで飛んだ唾液による雑菌がマスク内で繁殖し唇のトラブルにつながることも。長時間マスクを着用するときはこまめに外す、半日程度で清潔なものと変えるなどの対策をとるとよいでしょう。

参考:「肌トラブル大全」株式会社WAVE出版、「新しい皮膚の教科書」株式会社池田書店、日本化粧品技術者会ウェブサイト記事「唇」、ハースト婦人画報社Women’s Healthウェブサイト「唇が荒れる10の理由と、それをいますぐ治す方法とは?」、日比谷ヒフ科クリニックウェブサイト

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