免疫力と食生活

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食生活は、免疫と密接に関係しています。食生活をふりかえり、免疫力アップに役立てましょう。

●リラックスしてバランスよい食事を

食事はリラックスした楽しい雰囲気の中で、できれば誰かと一緒に談笑しながら、よく噛んでとりたいものです。リラックスして食事をとるということ自体が、免疫力を高めることにつながります。よく噛んで食べることにより胃腸への負担を減らし、噛むことで出る唾液は免疫力を高めます。
食事の内容は、栄養のバランスがとれていることがとても大切です。特に免疫細胞を強化するにはアミノ酸が必要ですので、たんぱく質が不足しないようにしましょう。良質なたんぱく源として、肉、魚、卵、大豆、大豆加工食品があげられますが、なかでも卵は、免疫力アップに必要な栄養素が多数含まれるおすすめの食品です。

●食物繊維

食物繊維は、栄養素を吸収したあとの不要なものや細菌の死骸をからめとって、腸内をきれいにし、便として外に出すという重要な役割を担っています。十分な食物繊維がないと、不要なものが腸内に残って悪玉菌を増やす原因となり、腸内環境を悪化させ免疫力の低下を招きます。また、食物繊維は善玉菌の餌にもなるので、善玉菌を増やすためにも、やはり食物繊維をしっかりととることが大切です。しかし、忙しい現代人の食事をみると、加工食品や肉食中心で食物繊維が不足している傾向があります。食物繊維を多く含む食品をとることを心掛け、腸内環境を良くすることが、免疫力アップにつながります。
おすすめの食品:れんこん、たけのこ、ごぼう、セロリ、海藻類、きのこ類

●ファイトニュートリエント

体内で発生する活性酸素を抑えるファイトニュートリエントは、マクロファージを活性させ免疫力を高める働きがあります。ファイトニュートリエントは、さまざまな種類がありますが、アントシアニン、セサミンなどに代表されるポリフェノール系、リコピンやβ-カロテンなどに代表されるカロテノイド系、スルフォラファンなどに代表されるイオウ化合物系などに分類されます。
おすすめの食品:トマト、にんじん、玉ねぎ、にんにく
関連記事:7大栄養素⑦ ファイトニュートリエント

●発酵食品

発酵食品には、免疫細胞のコーディネーション役を務める樹状細胞を刺激する作用があります。また、発酵食品には「プロバイオティクス」と呼ばれる微生物が含まれていて、腸内環境を整えます。腸はきわめて大きな免疫器官で、腸自体が免疫機能をきりもりしていることが最近わかってきています。リンパ球や顆粒球といった免疫細胞は、小腸に集中して存在しています。小腸に善玉菌が多いと免疫力が高まり、悪玉菌が多いと免疫力が低下するので、善玉菌を含む、または増やす発酵食品をとりましょう。
おすすめの発酵食品:ヨーグルト、納豆、漬物

●海藻

海水には大量、多種類のミネラルやビタミンが含まれていて、そこで育つ海藻類にも多くのミネラルやビタミンが含まれます。わかめには免疫力を高めるβカロテンが豊富に含まれます。こんぶ、めかぶ、もずくに含まれるぬるぬるとした成分フコイダンは、白血球の中にあるNK細胞を活性するという報告があり、フコイダンによる免疫力アップが期待されています。
おすすめの食品:わかめ、こんぶ、めかぶ、もずく

●きのこ類

きのこの主成分である多糖体のβ-グルカンや糖タンパクは、免疫細胞のマクロファージを刺激してT細胞の活性を高め免疫力を強化します。更にきのこ類は食物繊維を豊富に含み、活性酸素を体内から除去する働きもあり、免疫力アップに大いに役立つ食品です。
おすすめのきのこ類:しいたけ、まいたけ、しめじ、えのきだけ、きくらげ

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