ブルーライトのからだへの影響

太古の昔から、わたしたちのからだに刻まれている体内時計とブルーライトの相関は。

●サーカディアンリズム(体内時計)

38億年前に生命が地球上に誕生してから今日まで、地球の自転と太陽の関係による「明暗のリズム」は変わっていません。生命は進化し発展するもの、消滅するものなど、さまざまに形を変えて今に至っていますが、変わらない「明暗のリズム」にうまく適応した種が生き残ってきています。この1日24時間周期の体内リズムは「サーカディアンリズム(体内時計)」と呼ばれ、生き延びるためにからだがつくりあげてきたシステムといわれます。長らく人間は昼間ブルーライトを含んだ太陽光を浴び、夜になると焚火などのわずかな光で暮らしていました。近年になりローソクが発明され、続いてガス灯、電気による照明の発明があり、短期間に夜も明るく暮らせる画期的な時代がやってきたのです。
現代の都会ではビルや商業施設、コンビニエンスストアが24時間LED照明、すなわちブルーライトを発し続けています。また、スマートフォンやパソコン、ゲーム機器などが、子供も含めてだれにとっても身近になりました。こうした環境は便利でさまざまな利点がある一方、からだは絶え間なくブルーライトに露出されているというこれまでの生命の歴史ではありえなかった状況になります。
そうすると夜ブルーライトを浴びつづけることで、長年からだに刻まれてきたサーカディアンリズムに乱れが生じ、その乱れが成長ホルモンやメラトニンなどの分泌をはじめ、からだのさまざまな働きに影響を及ぼして、からだ全体の老化を早め、肥満などのメタボリックシンドロームを招く、がんになりやすくなる、精神状態を不安定にする、といわれています。

●目への影響

紫外線量が多い赤道直下の国では白内障に比較的早くなるといわれていることからもわかるように、紫外線やブルーライトのような波長の短いエネルギーの強い光線は、目に悪影響を及ぼします。人間のからだには生体防御力があり、紫外線やブルーライトのような強いエネルギーの光が目に入ると、瞳孔を収縮させて目から入る光の量を調節しようとします。また人間の目は夜になると瞳孔が開くようにできているため、夜にスマートフォンやパソコンを見るとさらに目の筋肉に負担がかかります。また、ブルーライトは波長が短く散乱しやすいためピントを合わせにくく、目に負担がかかりやすいのです。ピントを合わせにくい状態でピントを合わせようとすると、瞬きが少なくなり涙の蒸発量が増えてしまうこともわかっています。
また、加齢黄斑変性のリスクが高まるともいわれています。加齢黄斑変性とは目の網膜の中心にある「黄斑部」が酸化・変性する目の病気です。発症すると歪んで見え、視野の中心部分が暗く欠け、最終的には失明してしまいます。「黄斑部」は網膜の中でも光に対する感度がもっとも高く、ブルーライトのようなエネルギーの強い光の影響を受けやすいといわれています。

●肌への影響

紫外線が肌を老化させることはよく知られています。紫外線に次いで強いエネルギーをもつブルーライトもまた肌の真皮層まで達し、肌表面を支えるコラーゲンやエラスチンを破壊するといわれています。コラーゲンやエラスチンが破壊されるとシワやたるみとなり、肌の老化が進みます。また、ブルーライトなどの可視光線によってシミやそばかすに関連する肌の色素に変化が現れることを指摘する報告もあります。そして、ブルーライトを夜に見ることにより、質のよい睡眠に必要なホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されるといわれ、質のよい睡眠が得られないと睡眠中に分泌される成長ホルモンの量に影響がでます。成長ホルモンは肌の新陳代謝を促します。肌の新陳代謝が滞ると肌表面にいつまでも古い細胞が残ることになり、肌の透明感がそこなわれ、顔色が悪く疲れた印象となってしまいます。