運動とダメージ

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運動は健康の維持増進に多くのプラスの影響を与えますが、運動の仕方によってはからだに負荷をかけるため好ましくない影響が出る場合もあります。

●酸化ストレス

酸化ストレスとは激しい運動などにより、体内で発生した活性酸素が細胞にマイナスの作用を及ぼすことです。活性酸素とは、呼吸により体内に取り込まれた酸素が水素と結合し、より不安定で強い酸化作用を持つ物質になったもので、負荷の強い運動ほど活性酸素は発生しやすくなります。体内で発生した活性酸素は抗酸化物質や抗酸化酵素の働きにより大半が消去されますが、過剰に発生した活性酸素は、DNAや脂質、たんぱく質といったからだの重要な部位を酸化させます。酸化による細胞の損傷は老化現象を進ませるだけでなく糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病をはじめ、さまざまな疾患の発症や進行に関わることが明らかになりつつあります。活性酸素を軽減するためには、抗酸化作用のあるビタミンCやファイトニュートリエントを多く含んだ食事やサプリメントの摂取、最近では水素吸引等もひとつの方法とされています。

●貧血

貧血とは、酸素を全身に運ぶ赤血球が減少し酸素運搬機能が低下する状態を指します。貧血の原因は一般的には鉄分の不足、造血機能の低下、体内での出血などがありますが、栄養の偏りや体調不良の他、運動によって引き起こされる場合、スポーツ性貧血と呼ぶことがあります。スポーツ性貧血の原因は、激しい運動をすることで酸素の消費量が増えることに、からだが順応しようとして血液循環の量が増える結果、血中の赤血球の濃度が薄くなってしまう、発汗により鉄分が喪失される他、足底部などからだの部位に強い衝撃がかかることにより赤血球が破壊されることが挙げられます。貧血になると動悸や息切れ、集中力の低下につながります。また全身の持久力が低下することもあります。また、女性は鉄分不足により、月経不順が起きる場合もあるため、鉄分の摂取を日頃から十分に心がけましょう。

●脱水症状

脱水症状とは水分喪失量に対して水分摂取量が不足した時に起こる症状です。体内の水分とミネラルのひとつであるナトリウム(塩分)が不足し症状を引き起こします。運動により発汗が多くなる場合に注意が必要です。脱水症状になると血液の量も減り血圧が低下し、また必要な栄養素が、からだに行き渡らなくなり老廃物を排泄する力も低下し、食欲不振の原因にもなります。骨や筋肉の電解質が失われると足がつったりしびれたりします。水分の不足は熱中症のさまざまな症状を誘発します。熱中症とは気温の高い環境で生じる健康障害の総称で、頭痛やだるさや吐き気、けいれんなど、症状が重くなると生命に関わる場合もありますので予防と対策が必要です。頻繁に水分補給を心がけましょう。

●けが、外傷

スポーツ時において、けがは避けがたいものです。競技中の相手との接触や自らバランスを崩して負傷する場合もありますが、トレーニング中でも負荷のかかりやすい部位に損傷を負う場合もあります。ストレッチを行うことで関節の可動域を広げ、筋肉の柔軟性を高められるため、からだの各部位の損傷リスクを軽減することができます。十分なウォーミングアップやストレッチにより準備をしてから運動を行うことが大切です。

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