女性のライフステージ

●1ヵ月周期の変化

女性ホルモンにはエストロゲンと黄体ホルモンの2種類があり、からだの状態に大きく影響します。エストロゲンは妊娠を成立維持させる、皮膚の健康を保つ、骨を丈夫にする、血管をしなやかに保つなどよいことがたくさんある一方、子宮内膜症や子宮筋腫、乳がんとも関係します。黄体ホルモンはエストロゲンの作用が強くなりすぎないよう調整するホルモンで、胸が張る、むくみ、食欲増加などの影響があります。黄体ホルモンの分泌量は、排卵、月経、妊娠、出産などのタイミングにより変化します。子孫を残すという生物学的な目的を果たすために、エストロゲンと黄体ホルモンの分泌量は約1ヵ月の周期で変化します。

●女性のライフステージ:思春期

思春期とは第二次性徴がみられてから月経周期が整うまでの時期のことで、日本では概ね女性の場合8歳から18歳くらいまでの期間です。現在日本人の平均初経年齢は12歳3ヵ月ということです。性成熟期に向け、脳、卵巣、子宮がホルモンによって連携されることによりからだが発達していく時期が思春期で、月経周期はまだ安定していません。ホルモン分泌量が急激に変化することで怒りっぽく、気持ちが不安定になることが多い時期です。

●女性のライフステージ:性成熟期

ホルモン分泌の助けで、脳、卵巣、子宮がスムーズに連携し、排卵が規則的になり月経周期が約28日になり安定します。月経周期が安定した時からスムーズな連携ができなくなり始める時までの時期を性成熟期と呼びます。18歳〜34歳が性成熟期の前期、35歳〜44歳が後期とされます。前期は妊娠適齢期で後期は徐々に機能低下する卵巣がなんとか頑張っているというイメージの熟期です。

●女性のライフステージ:更年期から老年期

閉経は卵巣が働きを終えからだが生殖という目的から解放されることといえます。日本人女性の平均閉経年齢は50歳頃です。卵巣から分泌されるホルモンは更年期で顕著に減少します。性成熟期では妊娠を目的として毎月排卵と月経を繰り返しますが、その繰り返しは終わりホルモン分泌には周期が無くなります。最後の月経からおよそ6年以内を閉経後早期と呼び、閉経から10年以上経過すると閉経後後期と呼ばれます。閉経の前後10年である45歳〜55歳は更年期と呼ばれからだの不調が起こりやすい時期です。更年期は英語ではclimacteric age「クライマックス(最高潮)の年代」、人生の最高潮の時期であると捉えることもできます。人生100年時代では閉経は人生の折り返し地点ともいえるでしょう。

関連記事:更年期と更年期障害

参考:「女医が教える閉経の教科書」株式会社秀和システム、「「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!」株式会社集英社、「365日機嫌のいいカラダでいたい。現代を生きる私たちのヘルスケア・アップデートブック」株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン

SHARE