唾液のはたらき

私たちの口の中には1日1.5~1.8Lの唾液が流れていて、からだ全体の健康をサポートしています。

●消化・虫歯・歯周病

食事をするときによく噛んで食べるとよいとよくいわれますが、これは食べ物を小さくかみ砕くとともに、唾液でかみ砕かれた食物を包み込んだうえで胃に送り込むことで、胃への刺激を少なくできるからです。よく噛まないで胃に食べ物が送り込まれると、からだにとって異物である食物は、胃には刺激であり負担になります。胃に負担をかけ続けていると消化器官のトラブルに限らず、ニキビ、冷え性、貧血につながっていく可能性もあります。また、唾液は歯を溶かす虫歯菌から歯を守る働きもしているので、唾液が少なくなると虫歯や歯周病になりやすくなるといわれています。

●免疫と唾液

唾液の中には免疫グロブリンAという、外からのウィルスや細菌からからだを守る抗体が含まれています。免疫グロブリンAは母乳に含まれることでよく知られている抗体です。特に産後数日の母乳には圧倒的な量が含まれ、赤ちゃんを外界のウィルスや細菌から守っています。他にも唾液は鉄分と結合して細菌の繁殖を抑制するアルブミン、抗菌作用のあるリゾチーム、ベルオキシダーゼ、ラクトフェリンなどの成分を含んでいて、からだを外界の細菌やウィルスから守っています。発がんをおさえるベンゾビレンという成分も含まれており、唾液はがんからもからだを守る働きがあります。

●ホルモン

唾液には耳下腺から分泌されるパロチンという成長ホルモンが含まれています。この成長ホルモンは唾液と一緒に飲み込まれたあと、骨や歯の再石灰化をサポートするほか、皮膚の新陳代謝、目や髪、筋肉の成長を促進させます。また、他にも女性ホルモン、男性ホルモンが唾液中に運ばれ活性化することも報告されていて、唾液はホルモンの働きにさまざまな形で関与しています。