冬・からだの状態

●蓄える

気温が下がり、寒い日が続く冬の間、私たちのからだはひとことで表すと“蓄える”状態になります。栄養を蓄える、熱を蓄える、このようにからだは自然の環境に合わせて働きます。厳しい環境の中で生きる動物を見てわかるように、冬の間動物は活動をおさえ消耗しないで、できるだけじっと過ごしエネルギーを温存し、生命活動を維持しようとします。人間も動物のように冬眠に入らないまでも、からだを守るために活動をおさえエネルギー摂取を増やそうとするようになります。

●冷えの影響

外気温が下がることにより冷えやすい手から手首、顔や首からからだ全体が冷えて、からだの内部にも冷えが及び、からだ全体の血管が収縮し血液の循環が悪くなります。血液は、栄養素、老廃物、酸素や二酸化炭素などを全身の細胞へ届けたり回収したりする役目があるので血液の流れが滞るということは、各種器官や臓器機能の低下、またはそれによる疾病を招くことにもなり得ます。消化器系では胃、十二指腸、小腸、大腸の毛細血管への血流が鈍ることからその機能が低下し、消化吸収の力が落ちます。小腸はからだに栄養をとりこむ大事な器官ですが、小腸の力が落ちるとからだに栄養を取り込みにくくなり、栄養不足につながります。
循環器系では血流の滞りから心臓、肺が弱りやすくなり、動悸、息切れ、咳が起こりやすくなります。さらに汗をかくことが少なくなるため、からだの水分調節機能は腎臓が中心になり腎臓が活発に働くようになります。この活動がうまく機能しないとからだがむくむ、尿が出にくくなる、近くなるといった排泄異常が起こります。排泄異常と関連し、女性に多くみられる膀胱炎などの疾病にもなりやすい時季です。膀胱炎の大きな原因となる冷えは抵抗力を低下させ細菌が繁殖しやすい状態をつくります。また疲労、ストレス、睡眠不足も免疫力の低下に影響しますので、膀胱炎の予防には保温をし、しっかりと休養をとることが大切です。また清潔を保つことも予防につながります。

●基礎代謝量

基礎代謝量は、夏のほうが冬よりも多いと思いがちですが、実際は夏よりも冬のほうが多くなります。基礎代謝量とは、ほぼ寝ている状態で生命機能を維持するために最低限必要なエネルギーのことで、性別や年齢により異なりますが、女性だと一日1100キロカロリーほどです。寝ていても心臓を動かしたり、内臓を動かしたり、目や耳の各器官の機能を維持といったことに使うエネルギーを指します。夏と冬を比べると冬のほうが1日あたり150キロカロリー多く、1か月にすると4500キロカロリー、二か月で9000キロカロリーにもなります。7000キロカロリーが1キロ分の脂肪代謝量なので、夏と冬では大きく差があることがわかります。寒いなかで、生命を維持し、からだを動かしていくためにはよりエネルギーが必要になるのです。たとえ暖房の中で過ごす時間があっても、外気にあたる時間があればからだは冬の環境に合わせていくのです。

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●乾燥と免疫

外気の湿度が下がることに加え、暖房をいれている中では、空気の乾燥が進みます。夜も暖房をいれている場合は、からだは24時間常に乾燥にさらされることになります。そうすると喉の潤いが失われやすくなり、インフルエンザや風邪などの様々なウィルスに感染しやすくなります。日本の冬の特徴である「低温乾燥」状態においては、様々な疾病にかかりやすいため、特に免疫力を高めておく必要があります。十分な栄養と休養をとり保温と保湿を常に心がけるようにしましょう。