股関節にやさしい動作
歩行は体重の3倍、ジョギングは体重の4〜5倍、階段の昇降は体重の6〜8倍の負担が股関節にかかります。より負担の少ない動作を日常的に意識することが大切といえるでしょう。
●歩き方
歩行の推進力となるのは、お尻とふくらはぎの筋力です。
① 脚を前に出しかかとから地面につけます。前にいる人に足の裏をしっかり見せるイメージです。
② お尻を前に押し込んで股関節を伸ばし、地面を後方に押すイメージでふくらはぎの力で地面を蹴ります。股関節を後方に伸ばした反動で脚が前に出やすくなります。
③ 体重をのせた脚で地面を押し後ろ脚を前へもっていきます。後ろにいる人に後ろ脚の足の裏をしっかり見せるイメージです。
●階段の昇り方
階段を昇るときに推進力になるのはお尻の力。お尻で股関節を伸展させながらからだを押し上げて昇っていきます。足裏のアーチの部分を階段の角にかけて昇っていくとつま先で蹴りやすく太ももへの負担が軽くなります。
●階段の降り方
階段を降りるときは足の親指のつけ根を階段の角にかけ指先をはみ出させて降ります。股関節、ひざ、足首の3関節を使い、真下に着地することで衝撃の負担が軽くなります。
●股関節のストレッチ
歩く時・階段の昇り降りの際に、からだのバランスをとるためには、股関節が前後左右に正しく動かせることが理想です。股関節の動きをよくするためには日頃からストレッチするなどして、柔軟性をできるだけ高めておくことが大切です。
参考:「東大教授が本気で教える「股関節の痛み」解消法」株式会社 中央公論新社、「骨盤・股関節の医学」株式会社さくら舎