フェムテック「生理と避妊」

女性特有の健康問題や各ライフステージで起こりやすい課題を解決する製品やサービスのことをフェムテック(Femtech = Female + Technology)といいます。

●生理用品の向上

これまで生理中には主にナプキンですが、近年は多様化と機能の向上が進んでいます。ナプキンに重ねて吸収力をアップさせるタイプやナプキンとショーツが一体化し腰までカバーするものもあります。普及が進む吸水ショーツはショーツ自体に経血を吸収できる機能がついていて、生理中だけでなく尿漏れが気になるときにも使えます。繰り返し使えるのでナプキンの使用量を減らし環境に優しいといえます。吸水ショーツはクロッチ部分が液体を吸収する構造で、ムレ・ニオイへの対策として抗菌・防臭加工がされているものが多いようです。吸水量はさまざまで10mL〜160mLほど。量が多い日にはナプキンやタンポンと併用するという使い方もあります。使用後は手洗いで経血を流してすすいだあと洗濯ネットに入れて洗濯機で洗うというのが一般的です。レースをあしらったものボクサーやタンガタイプ、ガードル機能がついたものなどデザインや機能の選択肢も多くあります。
最近は膣内に挿入して経血を溜めるシリコン製の月経カップを選ぶ人も。正しく装着すれば経血がもれる心配はほぼなく洗って繰り返し使え環境にも優しい。ナプキンにつぐ第二の生理用品と呼ばれ慣れると快適と感じる方もいるようです。
また、生理の周期管理はスマートフォンのアプリが便利です。生理周期を把握することで妊娠しやすい日、しずらい日、PMS(月経前症候群)が起こりやすい日など、自分のからだのリズムを手軽に記録できます。

●女性主体の避妊

SRHR(Sexual and Reproductive Health and Rights):性と生殖に関する健康と権利という考え方が世界に広がっています。これは性や生殖に関して心身ともに満たされて幸せを感じられ、またその状態を社会的にも認められていること、そしてこれらを自分で決める権利を持っていることを表す言葉です。具体的には誰を愛するかということや性的なあり方、自分の性的な快楽、産むか産まないか、いつ、何人子供をもつかといったことを自分で決められる権利のことです。人は皆自分が自分であるために社会の中で心身共に尊厳をもって生きる権利があるということです。このような観点からも女性が主体となり確実な避妊を無理なくできる環境であることが重要です。
女性が主体となって選べる避妊法として、低容量ピルや避妊リング(IUD)、子宮内避妊システム(IUS)などがあります。低容量ピルはきちんと飲めばほぼ100%の効果が期待できるほか、生理による不快症状を改善したいときや生理周期をずらしたいときにも役立ちます。
また、緊急避妊薬(アフターピル)の存在も知っておきたいものです。初回の対面受診を経てオンライン受診のあと低容量ピルや緊急避妊薬を郵送で受け取れるサービス、ピルの服用スケジュールを管理するアプリ、専用アプリとデバイスの連動で飲み忘れを防ぐサービスなどがピルによる避妊をサポートします。
海外では、毎朝基礎体温を測り入力することでデータを分析し避妊をサポートするアプリ、膣内に挿入することで避妊効果を生み出す膣カプセル、唾液からホルモンレベルを測定して妊娠しやすい日、しにくい日を予測するアプリ、体内に埋め込むシリコンで避妊効果をコントールできる避妊チップなど、さまざまなフェムテックがあるようです。

参考:「365日機嫌のいいカラダでいたい。現代を生きる私たちのヘルスケア・アップデートブック」株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン

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