環境と紫外線


 

●天気と紫外線

雲は太陽光を遮るため雲量や雲の状態による天気の変化は紫外線量に大きな影響を与えます。晴れであればUVインデックスは快晴の場合とほとんど同じです。また、ほぼ全天を雲が覆っていても、薄曇りの場合は快晴時の約8〜9割のUVインデックスとなり、曇りの場合は快晴時の約6割となります。さらに雨が降っている場合には快晴時の約3割まで減ります。雲が比較的多くてもその状態によっては快晴の場合よりも大きいUVインデックスとなることもあるようです。曇りの日や雨の日でも晴れの日と比べて少ないとはいえ、からだには紫外線が届いていることがわかります。紫外線対策は天気に関わらず行ったほうがよいでしょう。

※UVインデックス:紫外線が人体に与える影響を、数値化した国際的な指標

●時間帯と紫外線

ゴミを出しに行く、洗濯物を干す、近所へ買い物に行くなど、太陽が出ている時間は少しの時間の外出でも私たちは紫外線を浴びています。室内にいても日当たりのよい部屋の場合、紫外線はガラス窓を通り私たちに届いています。紫外線量は時間帯によって大きく異なります。図は時間帯による紫外線量の割合を示したものです。夏冬に関わらず10時から14時の間の紫外線量が圧倒的に多いことがわかります。季節に関わらず10時から14時の間はできるだけ戸外にいることを避けたほうがよいといえるでしょう。

●散乱光と反射光

太陽から地上に達する光には直射光と散乱光があります。直射光とは太陽から直接地上に達する光で、散乱光とは太陽光が空気中にある窒素、酸素などの分子、エアロゾルと呼ばれる微粒子にあたって、光の方向がさまざまに変化する光のことです。散乱光はあらゆる方向に広がります。光は波長が短いほど散乱しやすく、晴天時の空が青く見えるのは波長の短い青色の光がより強く散乱されるからです。紫外線は可視光よりもさらに波長が短いためにより散乱されやすくなります。日傘や帽子で直射光をさえぎった日陰にいても散乱光の影響で日なたの半分の量ほどの紫外線を浴びています。
地表面の種類によって紫外線の反射率は大きく異なり、新雪では80%、砂浜では10〜20%、コンクリート・アスファルトでは10%、水面では10〜20%、草地・芝生、土面では10%以下です。スキー場や雪山では直射光、散乱光に加えて大量の反射光を浴びることになります。また、標高が1000m上昇するごとに紫外線量は10〜12%増加します。レジャーで高原や山に行く場合は紫外線量の増加を意識した対策をとりましょう。

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