運動と日々の生活

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運動の効果を上げ、からだへの負担を最小限にするために、日々の栄養摂取や水分補給に十分配慮することが大切です。からだに必要な栄養をサプリメントなどの活用で補給するのもひとつの方法です。

●水分補給

運動するにあたり水分補給はとても重要です。発汗などによりからだの水分を失い、喉が渇いたと感じる時は、すでに脱水症状を起こしつつあるので運動を始める前からこまめに水分を取るよう心がけましょう。ひと口を口に含む程度を繰り返すことにより、吸収効率は高まります。気温が高い時期や強い運動を行う場合はナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの成分を含むスポーツドリンクを取るのもよいでしょう。水に塩を溶かしたものでも効果はあります。また発汗を自覚しにくい水泳や、気温・湿度の低い環境での運動においても意識して水分を取るよう心がけましょう。

●たんぱく質の摂取

日常的に摂取する食品から五大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)をバランスよくかつ十分に摂ることはからだづくりや運動のパフォーマンス向上のためには欠かせません。とくにたんぱく質は、筋肉の維持・増強のために欠かせない栄養素のひとつです。たんぱく質は筋肉だけでなく内臓や血液、爪や髪の毛、皮膚を構成しており、人のからだにおいて重要な役割を担っています。たんぱく質の一日の摂取量の目安は、男性65g、女性60gとされています※。たんぱく質が多く含まれる食品は肉、魚、卵、大豆、乳製品などで、分解されアミノ酸となって体内に取り込まれます。アミノ酸は20種類あり、そのうちの11種類は体内で合成できますが残りの9種類は体内で合成できず、それら9種類を必須アミノ酸と呼んでいます。またBCAA(分岐アミノ酸と呼ばれ、具体的には必須アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンを指します)を運動30分前に摂取すると、筋肉の損傷を軽減できると言われています。食品によって含まれる必須アミノ酸の種類は異なりますので、肉や魚も多品目を食してバランスよく必須アミノ酸を摂取するように心がけるとよいでしょう。また、たんぱく質の中でも骨や関節と関係するコラーゲンの摂取も意識するとよいでしょう。
※食事摂取量基準2020推奨量による。

●その他に摂りたい成分

脂肪の分解を強化する共役リノール酸、n-3系オメガ3、葛の花エキス、脂肪酸が燃えやすくする形への変換を強めるL-カルチニンなどの成分が脂肪燃焼をサポートする成分として注目されています。白いんげん豆抽出物(フォセオラミン)は炭水化物の消化と吸収を遅らせるため体重増加を抑制する働きが期待されています。また運動による酸化ストレスを軽減するには抗酸化作用の強い成分(ビタミンC、クエン酸、コエンザイムQ10、クルクミンなどのポリフェノール、セレン※など)の含まれた食材を日々、適量摂るとよいでしょう。貧血の予防には赤血球の主材料となる鉄分の補給が必要です。夏などに食欲が落ち十分な食事が取れていないときや月経中の女性は鉄分が不足がちです。鉄分はほうれん草、小麦、大豆、レバー、いわしなどに含まれますが、吸収のよい動物性食品から摂るのが効果的と言われています。また赤血球の合成を助けるたんぱく質、ビタミンB6 ・B12、葉酸などの含まれた食品を同時に摂るとよいでしょう。
※摂取過多に注意が必要です。

●栄養のとり方

運動後に食事を取るタイミングや内容も筋肉のつき方と関係します。ゴールデンタイムと呼ばれる運動後約30分以内は、たんぱく質を効率よく吸収できると言われています。たんぱく質は肉、魚、卵などに多く含まれますが、運動直後にこのような食品を摂ることが難しい場合もあります。その場合にはプロテインなどのサプリメントを活用してもよいでしょう。プロテインとはたんぱく質のことですが、最近ではたんぱく質の中でも特にアミノ酸の一種であるロイシンの代謝産物、HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)が筋肉維持に効果があると言われています。
活動量の多い運動を継続して行う場合、ミールリプレイスメントやサプリメントを上手に活用するのもよいでしょう。ミールリプレイスメントとは置き換え(リプレイス)食(ミール)を意味し、たんぱく質や糖質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく配合したパウダー状のものが多く、食事の代わりにしたり間食、補食など目的に応じて利用したりすることができます。夏場や高温の日に衛生面で安心して摂ることができるのも長所のひとつでしょう。ただ、人によって好ましい栄養バランスは異なります。例えば日々の活動量の少ない人であれば即効性のエネルギーである糖質の量は控えめにし、たんぱく質を意識して摂るなど、その人の活動量に合った栄養の摂り方が大切です。

●疲れへの対処

健康を維持するには、栄養、運動、休養の3つが大切な要素と言われています。しかし運動をするとからだへ負荷がかかり疲労も起こるため、体力や年齢に合わせて運動し、適切に休息を取るよう心がけましょう。そして十分に質のよい睡眠を取ることはけがの予防のためにも必要です。睡眠不足は集中力を低下させ、免疫力や自律神経にも影響しますので意識してとるようにしましょう。栄養と休養を効果的にとり、運動を快適に行えるようにしましょう。

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