よい姿勢のための習慣
●動かして刺激する
骨、関節、筋肉は、適度な運動で刺激を与えることにより血流がよくなり維持されます。よい姿勢の基本である背骨のS字カーブは適度な運動によって維持されますが、年齢を重ねるにつれ動かすからだの範囲が徐々に狭まり、特にデスクワークを中心とする生活ではからだの可動域が狭まりがちです。動かすことが少ない首から腰までの脊柱、肩と股関節が硬くなることが姿勢に影響して背骨のS字カーブを保つのが難しくなると、肩、首、腰の痛みの要因になります。背骨のS字を保ち継続的によい姿勢ができるようになるためには、筋トレやストレッチ、ウォーキングなどでからだに適切な刺激を与え続けることが大切です。
●ストレッチをする
仕事や乗り物などで長時間座っているときは、背中を丸める・背中を伸ばすを繰り返し行うことで筋肉が伸縮し血流が良くなります。立ち仕事が続くときは、しゃがんで背中を丸めるなどして腰と背中を伸縮させるとよいでしょう。スマホやパソコンでねこ背の姿勢が続いてしまったあとは、丸まった背筋を伸ばして腰を立てて顎を引きます。顎を引くとねこ背になっていた背骨がS字に戻りやすくなります。
●大腰筋を鍛える
よい姿勢を得るためには、骨盤を立てる働きをする大腰筋を鍛えるとよいようです。大腰筋が衰えると上半身の姿勢を正しくキープすることができなくなります。大腰筋がきちんと働いていると背骨は自然なS字形の湾曲を描くといわれます。骨盤はやや前傾して下腹部もすっきりと引き締まります。大腰筋とともにお尻を包み込む大殿筋、背骨の状態をキープする脊柱起立筋を鍛えることもよいようです。大腰筋を鍛える筋トレはさまざまありますが、「もも上げ足踏み」を紹介します。左右各30回から始め、3ヵ月で100〜200回に増やしていくのが目安になります。
参考:『姿勢の本―疲れない!痛まない!不調にならない!』、株式会社さくら舎、『カラダが変わる!姿勢の科学』、株式会社筑摩書房