心地よい眠りを得るために
良い眠りは工夫することで得られます。そのためには心地よく眠り目覚めるために完璧な睡眠を目指すのではなく、眠りを妨げる要因をひとつずつ取り除いていきましょう。
●体温・光・リラックス
まず、深部体温が下がるとスムーズに眠りに入れる場合が多いので深部体温が上がることを避ければ眠りに就きやすくなると考えられます。熱いお風呂や激しい運動は体温を上昇させる原因になりますので、就寝直前は控えるようにしましょう。就寝2~3時間前の運動は一旦体温が上がりますが寝る頃に体温が下がってくるためスムーズに眠りに就くには効果的です。また睡眠を促すホルモンであるメラトニンは明るい光のもとでは分泌が抑制されます。寝るときは部屋を暗くするように照明やカーテンを工夫しましょう。寝る前のカフェインの摂取やスマートフォンの使用も睡眠の妨げになります。スマートフォンは多くの情報に接することにより脳が覚醒するだけでなくメラトニンの分泌を抑制する場合があります。スマートフォンに限らず就寝の1~2時間前からはその日の仕事や反省点は考えないようにして気持ちよくリラックスできる方向へ気持ちを切り替えていきましょう。
そして良質な眠りを得るには室内の環境作りも大切です。空気清浄機やエアコンを活用し快適な温度や湿度に近づけ、自分に合った寝具や枕の高さを選びましょう。どのような枕が自分に合っているのか分からないという場合は、寝具店の専門家に相談するのもおすすめです。パジャマはからだを締め付けないサイズやデザインを選びましょう。アロマや音楽を上手に取り入れると気分も落ち着きます。朝目覚めたら太陽の光を浴びるようにしましょう。また、睡眠時無呼吸症候群やいびきの症状がある場合は無理のない範囲で体重コントロールを心掛けてみましょう。
●眠気の対処
勉強やデスクワーク、会議中など日中に眠気を感じる場合はまずは睡眠時間を見直し最低7〜8時間は眠るように心がけましょう。午後に眠気を感じやすい場合には、昼休みに20分程度の仮眠を取り入れるのも良いでしょう。気分もスッキリし仕事の効率が上がる場合があります。30分以上寝ると深い眠りに移行してしまい、気持ちよく目覚められないことが多く長い仮眠は夜の睡眠の妨げにもなるので避けましょう。また休日に過度な睡眠を取るとリズムを狂わせることにもなります。休みの日はいつもより1~2時間長く寝る程度に留め、平日の睡眠不足が続かないように心がけましょう。
●自分の睡眠に向き合ってみる
日々の生活の中でからだに不調があると感じていても自分の睡眠に問題があることに気付かない場合もあります。他を優先すると睡眠を軽視しがちになります。家族や周りの人から日中の居眠りやミスなどの指摘を受けたときは、耳を傾けて自分の睡眠に向き合ってみることが大切です。自分で手軽に睡眠状況を把握したい場合は、睡眠日誌をつけてみてはかがでしょうか。床に就いた時間、実際に寝た時間、起きた時間を記録します。翌日に眠気があった場合の時間帯や体調に影響した場合も記録すると改善点が見えてくることがあります。いびきなどの寝ている間の様子を自分から家族に聞いてみるのも良いでしょう。眠りを大切にして健康で活力ある毎日を送りたいものです。