糖質コントロールの実践

日々の食生活で、糖質をどれくらい、どのように摂っているか、意識してみましょう。

●糖質にかたよらない食生活

現代の日本では、糖質を多く含む食品が手軽に入手でき、3食が糖質中心の食事になることも特に珍しくありません。朝、おにぎりかサンドイッチ、昼はスパゲッテイなどの麺類、夜は、お寿司や丼もの、ということになると、糖質の過剰摂取の可能性が高くなります。糖質は、私たちのエネルギー源として大切な栄養素ではありますが、自分にとっての適量を摂ることが大切です。おなかいっぱいになるまで食べるのではなく、自分のからだと活動量に見合った量は、どれくらいなのかを意識するとよいでしょう。
販売されている食品の多くは、ラベルに糖質の量が記載されています。食品ガイドなども参考にするとよいでしょう。すべてを計算して食べるのが難しくても、まずは意識することからはじめてみましょう。体格や活動量にもよりますが、一日の糖質量を200グラム程にすることがひとつの目安ともいわれます。一般的なごはん一杯の糖質量は55.3グラム程、食パン1枚(6枚切)の糖質量は26.6グラム程ですので、これらから算出するとよいでしょう。

●バランスのとれた食生活

糖質を減らすことのみを目的とするのではなく、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなど、バランスのとれた食生活をすることが大切です。たんぱく質では、肉や魚は一般に糖質が少ない食品ですが、はんぺん、ちくわといった加工食品は糖質が多くなります。野菜では、芋類、かぼちゃ、にんじん、ゴボウなどは糖質が比較的多く含まれます。果物では、バナナ、ぶどう、柿などが糖質を比較的多く含みます。一方、海藻、キノコ類や大豆製品、卵などは糖質が少ないので、バランスのとれた食生活を目指して上手にとりいれていきましょう。

●献立の工夫

最近では、糖質量に配慮した食品も多く市販されています。糖質を減らした食事を考える場合には、上手に利用するとよいでしょう。チーズやナッツ類は糖質が少ないので、ナッツを刻んで野菜とあえる、チーズをかけて焼くなどして、満足感を高める工夫もするとよいでしょう。また、ニンニク、しょうが、こしょうやハーブ、岩塩などをアクセントに使い、味に変化をつけるのもおすすめです。

●食行動

空腹時に糖質を多く含む食品であるお菓子やおにぎりを食べると、食後急激に血糖値が上がります。空腹時には、野菜、海藻、大豆製品、乳製品などをまず食べてから、糖質を含む食品を食べると、食後の血糖値を急激に上げないとされていますので、食べる順序を工夫しましょう。また、ゆっくりとよく噛んで食べることにより、満腹感を得られやすく、胃腸の負担も減り、エネルギーの消費量もアップします。糖質コントロールをすると、糖質を含む食品に一緒に含まれていた水分が減るため、水分が不足しがちです。糖分を含まない、水やお茶などをこまめにとるとよいでしょう。
食後15分くらいで血糖値が上がり始め、60分くらいで最も高くなるとされています。この15分と60分の間にからだを動かしていると、血糖値の上昇が抑えられことが報告されています。運動をしないまでも食後の後片付けをするなど、じっとしていないことを心がけるのも糖質コントロールの一つの方法になります。

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