睡眠環境を整える

環境を整えることで、睡眠の質を高めましょう。

●照明やスマホなど光の影響

人も動物も日が暮れる夕方の空の色を見ると徐々にからだが眠る準備を始め、睡眠を促すホルモン「メラトニン」が分泌されます。そこで夕方以降は白色照明よりも暖色照明や間接照明の柔らかい光を照明に用いたいものです。また、夜にブルーライトを発するスマホやパソコンを見ると、睡眠の質を下げるといわれます。さらにスマホやパソコンから得られる過剰な情報は、自律神経の交感神経を優位にし、睡眠の妨げになるともいわれます。夕食後の使用を控えることで睡眠の質を改善できるかもしれません。ほんの小さな電球でも点灯していることにより睡眠の質が低下することが報告されています。睡眠中は豆電球なども消して真っ暗な状態で眠るのがよいようです。電化製品の運転ランプなどもテープなどで覆う工夫をしてもよいかもしれません。また、朝は目が覚めたら室内でもよいので数分から10分ほど太陽の光を浴びることで体内時計が整い、さらに乳製品などに含まれる「トリプトファン」を摂取することで夜のメラトニン分泌が促されるとされます。

●温度、湿度、換気

眠る部屋の温度は、夏は25〜27度、冬は15〜18度がよいとされます。湿度は年間を通じて50〜60%が理想とされます。夏冬ともにエアコンやヒーター、加湿器、除湿器などを活用し、睡眠に適した温度、湿度を保ちたいものです。さらに、眠る部屋では二酸化炭素濃度も気をつけるとよいようです。換気をせず二酸化炭素濃度が高い部屋で過ごした後は思考力や作業効率がダウンするという報告もあります。北欧では睡眠中窓を開けたまま寝る習慣もあるようです。睡眠中窓を開けたままにするのが難しくても、眠る前10分ほど換気するだけでも違いはあるので、眠る前に換気する習慣をつくるとよいでしょう。

●よい睡眠を得るための工夫

夕食は入眠の2〜3時間前までに済ませて、入眠時に消化で胃腸に負担をかけないことが望まれます。また夕食では消化に時間がかかる揚げ物などはできるだけ控えるか少量にし、消化のよいものを意識するとよいでしょう。疲労回復効果がある「イミダペプチド」や「クエン酸」を含む食品をメニューに取り入れるのもよいでしょう。イミダペプチドは鶏胸肉やカツオに含まれ、クエン酸はレモンや黒酢などに含まれます。リラックス効果のあるハーブティーや自然由来成分のサプリメントをとり入れるのもお勧めです。カフェインは睡眠を妨げるとされその影響は数時間に及ぶとされますので、夕方以降の摂取は控えるとよいでしょう。入浴は38〜40度のぬるめのお湯に5〜10分程度浸かることでからだをリラックスさせます。また、入浴中に上がったからだの深部体温が入浴後徐々に下がることで入眠しやすくなります。熱いお風呂はからだから熱を放散させようとして大量の汗をかくことになり、交感神経が働きからだが興奮状態となってしまうため就寝前には向きません。就寝前は気持ちを鎮める好みのアロマなどを枕元に置くのもお勧めです。軽いストレッチ、瞑想や呼吸法など、眠る前に毎晩同じルーティンを行ってからベッドに入ることも睡眠の質を高めるようです。昼間にからだを動かし活動的に過ごすこともよいようです。

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参考:「Dr.クロワッサン 疲れがとれる!眠るコツ。」株式会社マガジンハウス、「驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100」株式会社三笠書房、「睡眠にいいこと超大全」株式会社宝島社、「不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる」株式会社かんき出版

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