糖化がからだに及ぼす影響
糖化は肥満だけでなく、老化と密接に関係しているようです。
●AGEが及ぼす影響
血液内に余分な糖が多くなるとからだのたんぱく質組織と結びつきAGEになります。からだの組織にAGEがつくられるとたんぱく質が変化し、各組織の本来の役割が果たせなくなるとされます。AGEができると組織は固く脆くなりまるで化石のようになってしまうと表現されることもあります。また、AGEはその場で止まっているのではなく他の正常な細胞のたんぱく質にまで影響を及ぼし、組織を化石化させていくことがわかっていて、この現象はAGE架橋(かきょう)と呼ばれています。AGE架橋により糖化が及ぼす範囲が広がると、からだの不調や老化の促進につながっていきます。そして、さらに糖化が進むことにより病気を招いてしまうこともあるようです。例えば、血管のたんぱく質が固く脆くなると動脈硬化が心配され、その結果動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。他にも認知症や骨質の変化、肌のたるみやシワなどにもつながっていくとされ、AGEはからだ全体に影響を及ぼすといっても過言ではないようです。
AGEはからだのあらゆる組織の機能低下につながるといわれます。免疫力の低下、内臓の働きの低下などにもつながり、倦怠感や疲れやすさにも影響。冷えやすい、顔色が悪い、怪我の治りが遅い、足が攣る、歯周病が治らない、顔が急に老けた印象になるなどの不調は、糖化反応から生まれるAEGが影響しているかもしれません。
健康な人のからだにも多少のAGEは存在し、ゼロにすることはできないようです。しかし、糖質の摂取量に配慮するなどしてAGEの過剰生成に留意することで違いがでるようです。
●糖化と生活習慣
糖化に影響を及ぼすとされる生活習慣があります。喫煙習慣は体内のAGEを増やすことがわかっています。また、飲酒は一緒に摂る糖質を多く含むおつまみや飲酒後の麺類やお茶漬けといった糖質の影響が大きいようです。ストレスが糖化と関係することも明らかとになっています。ストレスが続くと自律神経の交感神経優位となり血圧が上昇、血管が収縮することで血糖値が上がり、糖化が進みやすくなるとのことです。ストレスが強くなっていると感じたら意識的にリラックスする時間を保つようにするなど対策をとりたいものです。
参考:「糖化を防げば、あなたは一生老化しない」株式会社永岡書店、「50代からの「老いない体」のつくり方」株式会社三笠書房、「新しいタンパク質の教科書」株式会社池田書店