メタボリックシンドロームの予防と改善
メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積に起因しているので、該当しない人は内臓脂肪を増やさないことが予防となり、該当者は内臓脂肪を減らすことが改善のための一番の方法です。原因の多くは食事の内容と量、運動不足のため、食事、運動の両面から見直しましょう。睡眠などその他の生活習慣を見直すことで効果が出る場合もあります。
●食生活の改善
食事の内容や摂り方を見直すことは最も重要と言えるでしょう。動物性脂肪や乳製品、糖分の取り過ぎに注意し、摂取カロリーを抑えることを心がけます。また食事の摂り方を改善することで効果が上がる場合があります。食事以外の間食や清涼飲料水の過剰な摂取を控えるよう心がけ、三食規則正しく摂り、よく噛み、偏食せずに品目をなるべく多くして、腹八分目に抑えるようにしましょう。塩分や調味料を少なめに、塩分が多く使われていることが多い加工品やレトルト食品もなるべく控えるとよいでしょう。
●運動の継続
まずは日常生活の中でなるべく歩くことを習慣づけましょう。1日30~40分を目安にします。1駅分歩く、エレベーターなどを利用せず階段での上り下りを心掛けるとよいでしょう。足や膝に負担がかかる場合は無理のない範囲で取り組みましょう。1回あたりの時間が短い場合は週に5日行うなどこまめに行うとよいでしょう。足や膝に痛みのある人は、プールでの水中ウォーキングなどもおすすめです。
●生活習慣の見直し
心筋梗塞や脳卒中に関するその他の危険因子を取り除くことも大切です。まずは禁煙、そしてアルコールを取り過ぎないことが挙げられます。喫煙は直接的に血圧や血糖を上昇させ、たばこの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素は、動脈硬化を促進させます。アルコールについては飲酒量が多くなると高血圧になり、コレステロールや中性脂肪が増え、血糖値も上がります。また睡眠時間が短いと血圧や血糖値が上がるだけでなく空腹感が増し、過食を引き起こす場合があるため、質のよい十分な睡眠を取ることも必要です。
●相談・治療
食生活の改善や運動を継続することを自分一人で実践するのには強い意志が必要です。家族や同僚に一緒に管理してもらうなど協力を仰ぐこともひとつの方法です。色々な方法を試してもなかなか体重を落とせない場合は、医師や栄養士など専門家に相談するのもよいでしょう。日々の体重の記録、飲食の記録をもとに定期的にアドバイスを受けることができます。急な減量を目指すのではなく、例えば6ヵ月に体重の5%を落とすなど、無理のない範囲で目標を立て、計画的に減量を進める助けを得られます。また特定健診の結果で生活習慣病のリスクが高いとされた人は特定保健指導を受けることができます。特定保健指導では保健師や管理栄養士、看護師から食生活や運動についての継続的なアドバイスや支援を受けることができるので利用するのもよいでしょう。重篤な病気で寝たきりにならないためにも、内臓脂肪を増やさず減らし、望ましい状態に保つ努力を常日頃から心がけることが大切です。