炭水化物の選択 小麦と大麦

麦にもいろいろな種類と精製のされ方があります。

●小麦と粉の種類

パンや麺類、パスタ、お菓子など、小麦は食品に広く使われています。小麦には多くの種類がありますが、「グルテン」というタンパク質の含有量で分類され、グルテンが多い順に、「硬質小麦」「中間質小麦」「軟質小麦」に分けられます。それぞれ製粉されると「強力粉」「中力粉」「薄力粉」になります。小麦粉のもつグルテンは小麦特有のタンパク質で、このグルテンの特性で水を加えてこねると粘り・弾力性が出ます。硬質小麦の一種デュラムセモリナは、グルテンが特に多いデュラム小麦を粗挽きにしたものでパスタによく使われます。元々胚乳が黄色味を帯びているので薄黄色の粉になっています。グルテンの特性を生かし、強力粉はパンや麩、中力粉はうどんやビスケット、薄力粉はケーキや天ぷら粉、お菓子などに使われます。
小麦の粒は、胚乳(小麦粒の約83%)、表皮(小麦粒の約15%)、胚芽(小麦粒の約2%)からなります。最も割合が多い胚乳部分が小麦粉となり、その主成分はデンプンとタンパク質です。表皮は「ふすま」「ブラン」とも呼ばれ、食物繊維、マグネシウム、鉄分、亜鉛などを豊富に含みます。胚芽は脂質、タンパク質、カリウム、マグネシウム、リンなどの各種ミネラル、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEなどを含みます。全粒粉は小麦の粒をそのまま挽いたもので、これらの表皮や胚芽の栄養が含まれます。精白された強力粉、薄力粉は表皮や胚芽を取り除いているため、これらの栄養が無くなります。また、グラハム粉は全粒粉よりさらに粗く小麦を挽いたもので、ザクザクとした独特の粗挽き食感があります。
小麦の原種とされるスペルト小麦は表皮が厚いため、表皮に含まれる食物繊維やミネラル類を多く含むとされ、胚乳に含まれるタンパク質が必須アミノ酸を含むようです。

●大麦の種類

一方、大麦はビールや味噌の原料になる他、麦ごはんや麦茶などに使われます。大麦にはうるち性、もち性があり、もち性大麦はご飯と一緒に炊いて美味しく食べられます。大麦にはビタミンB群やミネラル、食物繊維が含まれます。特に食物繊維は不溶性、水溶性と二つの食物繊維がバランスよく含まれていて、その量は精白米の約20倍、玄米の約3倍というデータもあります。(可食部100gあたり、日本食品成分表2015年版による)

●ライ麦

ライ麦(別名:黒麦)は小麦とは違う種類の穀物で、原産地は小麦、大麦よりやや北の地方のようです。小麦に比べグルテンが少なく一般にミネラル類を多く含むとされます。ビタミンB群、ビタミンE、ミネラル、食物繊維を豊富に含みます。独特の風味がありドイツのパンによく使われるようです。

参考:一般社団法人全国米麦改良協会ウェブサイト「こだわりの麦、日本の麦」

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