ボディマネジメント 食事の工夫
●食事の満足感
多くの人にとって食事の満足感はQOL(Quality of Life の略で「生活の質」を意味します)に大きく影響するでしょう。食べることは栄養摂取だけではなく、一緒に食べる人と共感を得る、心身の健康を考える、自分を大切にする自尊感情をもつなどの機会でもあります。ボディマネジメントをする場合でも食事で摂る栄養や量に加えて、味や香り、嗜好などを配慮してメニューを工夫し、満足度を高めることが重要視されています。満足感を上げるものとして、部屋の室温や照明、インテリアなどの食環境、食器や盛り付けの美観、食事の季節感や流行感、誰と食べるか、経済性、利便性などが挙げられます。ボディマネジメントでは空腹感を避け、満足感を得ることが大切です。満足感が得られるポイントは人それぞれなので、何をより重視するのかを明らかにし、例えば食事の季節感や流行を重視するなら、SMSなどで関連情報を収集し食事の内容に積極的に反映するなどの工夫をしてみましょう。
●満腹感のコントロール
健康体重を管理していくうえで食べ過ぎないようにするためには、満腹感を得る工夫も大切です。まずはよく噛んで食べることを意識しましょう。咀嚼には「満腹中枢」を刺激し食欲を抑える効果があることがわかっています。そして、食事中に時々箸を置く、会話をするなどで食事に時間をかけるとよいでしょう。満腹感は食事の開始から約20分経過したころに血糖値が上昇することにより得られますので、できれば20分以上はかけたいものです。ついつい急いで食べてしまうという方は、スマホのストップウォッチ機能などを活用して、食べ始めから終わりまでどれくらいの時間で食事を終えているか一度計ってみるのもよいでしょう。
肥満の人はこれまで食べていた食事量から適切な食事量に減らすと少なく感じ、満腹感を得られにくくなりますが、適切な量で満腹感を得られるように工夫することはできます。例えば、私たちの脳は手に持った腕を含めた総重量を食べた量と認識すると実験心理学で報告されていますので、適切量では満足できない人は少し重めのご飯茶碗をつかって満足感をサポートすることが考えられます。心理実験から見た目を多く見せることは満腹感を増加させるという報告がありますので、小さい器を使って見た目を山盛りにするとよいようです。また、気温の低いところではより多くの量を食べること、明るい照明の場所よりも暗い照明の方が食事の量が多くなることがわかっています。
●食後すぐの運動
ボディマネジメントには食後すぐの運動が効果的であるという報告があります。食後すぐの運動は血糖値の上昇を抑え糖が体脂肪になるのを防ぐとされ、空腹時とは異なり体内に十分な糖がある状態で運動すると筋肉が分解されず太りにくいからだを維持できるとも。食後すぐであれば運動時間は短くてよく、スクワットなどの筋肉運動、階段の上り下りなどがよいようです。食べ過ぎてしまったなという時は食後すぐにスクワットなどをすることで、罪悪感を減らし食事への満足感を損なうことを避けられるかもしれません。
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参考:「QOLと食事」厚生労働省e-ヘルスネット、「ニュートン式 超図解 最強に面白い!! ダイエット」株式会社ニュートンプレス、「科学的に正しいダイエット 最高の教科書」株式会社KADOKAWA、「医者が教えるダイエット、最強の教科書」株式会社ダイヤモンド社、「最強の食事戦略 研究者と管理栄養士が考えた最終解答」株式会社ウェッジ